声優界随一のサイクリスト・野島裕史が、自転車をテーマにお届けしている番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。3月27日(土)〜3月30日(火)の放送は、野島裕史のサイクルコラム「青森スノーライド」を特集しました。
自転車声優・野島裕史
◆とんでもないメカトラブルに見舞われて…
野島:久しぶりに青森県に行ってきました! 何年か前にも体験した、雪の上をファットバイクで走るという企画です。ただ前回と違うのは、今回はなんと3時間のエンデューロレース。1周およそ2kmのコースを、3時間で何周できるかというレースです。チームで出ている方もいらっしゃいましたが、僕は1人でエントリーをすることになりました。
青森県の奥津軽のほうにある「嘉瀬スキー場」にエンデューロのコースを作っているのですが、普段はスキーとかスノーボードで滑るところを、なんとファットバイクで走るんです。しかも、中級者コースくらいの急斜面。なかなかできない体験で、おもしろかったです。
一応、ファットバイクなので、雪の上でも走ることはできるのですが、やはりアップダウンの角度があるところはスリップしますね。相当転びました。しかも、雪がかなり深くて、登りのところは、スリップして全然登れなかったり。結局、コースの半分近くは手で押しながら走って、雪上シクロクロスみたいな状態のレースでした。でも、景色も天気もすごく良かったので、本当に楽しかったです。
服装ですが、最初は寒さ対策を厳重にしたのですが、そんな状況なので、すぐに汗だくになって暑い。むしろ軽装で楽しむことができました。
ただ、とんでもないメカトラブルに見舞われまして……。なんと、レースが始まって、まだ1kmあたり。まだ1周もしていない段階で思い切り漕いだ瞬間、バチン!って音がして、チェーンが切れてしまいました。チェーンが切れるって、なかなかないですよ。僕ももちろん初めてですが、一般のレースで切れることは、まずない。ギアチェンジをしながら漕いだのが悪かったのか、よく分からないんですけど……。
コースをちょうど下りきったところでチェーンが切れたので、深い雪のなか、登り1kmをずっと押して戻るという羽目になりました。最初の1周目で……しかも、ファットバイクだから背負うこともできず、ひたすら押しながら登りました。スタート地点に戻って来たので、メカニックを呼んだのですが、「チェーンが切れちゃいました」と言ったら、メカニックの方もびっくりされていて、「さすがにチェーンの替えは持っていませんね……」って言われて、修理もできないくらいガッツリ切れてしまっているということで、ここでリタイアか……と思っていたら、なんと、スタッフの方が「せっかく東京から来てくださったので」ということで、運営の方が使う予定だったファットバイクを貸してくださることになり、そこから再びレースに参加することができました!
そこからは、もちろんトラブルなく快適に走れたのですが、そんなメカトラブルに見舞われたことあったので好成績は諦め、“雪上エンデューロを楽しもう”と思って、比較的ゆっくりと走りました。なので、雪の上を走るという楽しみは十分に感じられましたね。特に新雪の上を走ることが楽しかったです。ギュッギュッと進む感じとか。
ただ、普通の自転車の乗り方と全然違うので、体力を使いました。それに3時間で、少なくとも20、30回は転んだかな? 大人になって、50歳近くになって、こんなに転ぶことがあるとは思わなかったくらい、ゴロンゴロン転びました(笑)。他の人が走った後の轍を走るとスリップするんですよね。なので、スリップを支えるために、全腕の力でハンドルでバランスをとりながら、体幹、腹筋、背筋から全部の筋肉にほぼ3時間力を入れていました。
あとは、自転車を押すときも、かなり力を入れるので、腕や腹筋、背筋は相当パンパンになりました。筋肉痛自体は割と軽く収まったのですが、バッキバキに張ってしまいました。でも、なかなかできない体験で、しかも景色も良くておもしろかったので、次はチェーンの替えを持って参加したいと思います。また来年も挑戦したいと思います!
次回4月3日(土)〜4月6日(火)の「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」は、 野島裕史のサイクルコラム「Go Pro MAX」をお届けします。お楽しみに!