2021.3.24 ~ ゲスト:脳科学者・中野信子さん②

第339回 中野信子さんは、脳科学者、医学博士、認知科学者として、 またテレビのコメンテーターとしても活躍されています。 今週は、プライベートなお話をたっぷり伺いました。

杏子「分岐点というのは?」

中野「私、一番最初に私変なのかな?と思ったのは、幼稚園のときなんです。」

松室「ずいぶん早い段階ですね!」

中野「自分は普通に過ごしているつもりなんですが、
   周りの人は、みんな自分の事を『変だ』というんですね。
   小学校で変わるかと思ったんですけど、小学校でも変だと言われ…(笑)
   決定的だったのは、中学校でした。
   男の子が机の前に来て、キツい言葉で嫌味を言いにくるんです。
   なぜ、そんなに成績がいいのか、俺のが本当は出来る、って。
   それで、”授業で1回やった事を書くだけ。なんで点数取れないんだ” って
   言っちゃったんですよね。
   そしたら、学年中に、あの人は変だと広がってしまって…
   成績だけで何とかなる高校生まではこれでいいけど、
   大学に入って社会にでたら、コレは受け入れられない、
   生きていけない、と危機感を感じたんですよね。
   こんな人間でも、なんとか生きて行くかを真剣に考えて。
   おかしい原因があるとすれば『脳』だから、
   その『脳』を研究しなければ! と思ったんですよね。必死です(笑)」

杏子「そこか!!
   スポーツだと、天才秀才と言われる人たちを伸ばそうとする
   明らかな道があるけれど、脳に関してはそういうのが無くて
   彷徨っちゃう子がいるってことですよね?」

中野「そうなんですよね、
   これ実は、万国共通の教育上の課として、論文にもなってます。
   集団で教育をする方式だと、
   できない子を底上げするかというのに注力されがちで
   出来る子を伸ばすというのが、コスト的にもしにくくて。
   出来る子が犠牲になっている現状は報告されています。
   その子たちをどうするか、いち早く課題解決できれば、
   非常に有効な国家戦略になりえるんですけど…
   なかなかそこまで行けないですね。」


続いて話は、中野さんの初の自伝『ペルソナ 脳に潜む闇』に書かれている
”寄り添う人” 旦那様 について。

中野「ベタベタ一緒に過ごすのが苦手なので、そういう人だと困るんですが
   人間は弱い生き物ですから、お互いに依存しあう関係ではなく、
   伴走するような、寄り添うというか。山手線と京浜東北線くらいですかね(笑)」

松室「分かりやすい~」

杏子「え!!わかんない!(笑)
   室くん大阪出身でしょ!?(笑)」

出会いのきっかけは、音楽。
旦那様は大の音楽好きで、BARBEE BOYSのファン!
今日の収録も羨ましがられたのだとか。

さらに、ヘヴィメタルバンド好きの中野さんに合わせて
実は、メイク濃いめにしてきた杏子!
中野さんにも喜んでもらえたようです(笑)



食のこだわりについても伺うと、
甘いものが大好き!と中野さん即答(笑)
特に、あんみつが大好きでやめられない、とのこと。

杏子「サプリメントだけで生きてそう!
   まさかの、あんみつ!可愛い〜(笑)」

中野「あんまりコントロールされ過ぎた人生ってどうかな、って思って(笑)
   出来るだけ、同調圧力を感じずに、自分の好きなように過ごしても
   変と言われない人生を目指しています。」

杏子「でも今はもう『変』っていう人いないんじゃないですか?
   あんみつにはびっくりしましたけど(笑)」

中野「そうですね、居なくなりましたね。
   己の欲する所に従って矩(のり)を踰(こ)えず。
   そういう人生を送りたいと思います」

あんみつ姫? 中野さんの飾らない姿、来週もお届けします!

中野信子
1975年東京都生まれ。東京大学工学部応用化学科卒業。 
同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。
フランス国立研究所ニューロスピン勤務後帰国。
現在、東日本国際大学教授、京都芸術大学客員教授 。

M1. Eternal / 松室政哉
M2. Wake Me Up / Avicii