アジア系へのヘイトクライム増加の理由 4/7 NY Future Lab

 

これからの時代の主役となる「Z世代(10代~22歳)」と「ミレニアル世代(23歳~38歳)」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どうした性質や特徴があるのか、さらにグローバルビジネスや海外進出企業も知りたいこれからの消費動向について、ミレニアル・Z世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していく。



☆シェリーさんのPresident記事はこちらから!

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今回はアジア系アメリカ人へのヘイトクライム増加の理由というテーマでお届けします。


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綿谷エリナ:綿谷エリナのOn The Planet 。この時間は「NY Future Labミレニアル・Z世代研究所」です。


メアリー:Hi I’m Mary.

ヒカル:I’m Hikaru.

ケンジュ:Hi I’m Kenju.

ミクア:Hi I’m Mikua and welcome to NY Future Lab 2021.



綿谷エリナ:
今夜もニューヨーク在住のジャーナリストでミレニアル世代とZ世代評論家シェリーめぐみさんと電話が繋がっています。シェリーさん!

シェリー:
エリーさん! こんばんは~!

綿谷エリナ:
こんばんは!

シェリー:
4月に入ってこのコーナー、新しい季節もよろしくお願いします。

綿谷エリナ:
よろしくお願いします!

シェリー:
さて、日本で話題のSDGs持続可能な開発目標に関して、アメリカのZ世代の意識を取り上げようと思ってたんですよ。そしたら、この問題が急浮上して来ました。
「アジア系アメリカ人へのヘイトクライム」。

綿谷エリナ:
はい。

シェリー:
SDGsの17の目標には環境だけでなく、人種やジェンダーの平等も入っています。
ということでニューヨークのミレニアル世代Z世代の若者たちが本音で座談会するNY Futurelab.
4月はSDGs マンスということで、前半はアジア系へのヘイトクライム、
後半はアースデーも来るのでZ世代の環境意識をテーマにお送りしようと思います。

まずは、昨日もお伝えしたように、アメリカではアジア系アメリカ人へのヘイトクライム問題が続き、市内だけで今年に入って33件のヘイトクライムと見られる犯罪が報告されています。

綿谷エリナ:
そうなんですよね…

シェリー:
まず今週は彼らが、このジア系アメリカ人へのヘイトクライムの現状をどう見て感じているのかを聞いて見ました。まずケンジュから。

ケンジュ:俺が見ているところではほとんどおばさん、女性が 狙われてる。今すごい危ない状態になっている。

ミクア:電車に、I feel like it happens on the train. I hear about Asian people get attacked on the train and subway.

シェリー:確かに地下鉄の中でアジア系が襲われたというのはよく聞くよね。

ケンジュ:絶対おかしくなっていると思う。Cause its pandemic too. どんどん犯罪も上に行って、そこからどんどんおかしくなったと思う。

シェリー:コロナ以降はヘイトクライム以外の犯罪も増えているもんね。なぜそんなに皆な攻撃するんだと思う?

ケンジュ:すごいCovidになって働けなくなった人も多いし、エコノミーも下行っちゃったから、それですごく怒っている人が多いから、その怒りをどこかに狙わなくちゃいけない感じがその人たちがするんじゃない?

シェリー:経済が悪くなって失業して、その怒りをぶつける先が必要だったということね。

ケンジュ:それにトランプがChinese Virus.

ヒカル:在任中ずっとチャイナウイルスと言っていたのは有名な話なので、扇動したかと言われればそうなんでしょう。

ケンジュ:So I guess, Asianの人たちは全部まとめてチャイニーズとして。

メアリー:Racismだけでなく、政府もちょっと。Government hasn’t been very supportive.

シェリー:人種差別だけでなく、ちゃんと救済しない政府の責任でもあるとMaryは思うのね。

ヒカル:こういうアジア人への差別みたいなものは、コロナ以前から存在はしていたけれど、社会的には表面化させてはいけないみたいな抑止力があったのが、コロナが始まったことによって取っ払われて、1度その壁を壊されたら差別するのが定着化してしまったみたいな。



綿谷エリナ:
うーん、そうかもしれない。表面化してきてしまった、行動に移してしまっている、ということが大きな違いなのかもしれませんよね。

シェリー:
そうそう、そういうことですよね。おそらくね。昨日もお話ししたように、アジア系への差別は以前からありました。

長い移民の歴史やアメリカと日本などアジア諸国との戦争に根ざしているけれど、これまでは暴力というよりは、 職業差別や女性蔑視など、自分より劣っている者に対して見下し、笑い、または無視すると言ったカジュアルな差別が多く、それだけに外からはあまりはっきり見えなかったし、ある程度我慢することもできた。

ところがそれがコロナのストレスと 、トランプ氏の影響で噴出して、今のようになっているというのが共通の認識なわけですよ。

綿谷エリナ:
なんか新しいターゲットになってしまっている、ていうのもあるような気がしました。

シェリー:
それはありますよね。
で、コロナ以前からあったカジュアルな差別、みんなも体験したことがあるのか聞いて見ました。その前に、この問題自分がどの人種に属しているかで、体験も見方も微妙に変わってくるんですよ。

綿谷エリナ:
はい。

シェリー:
まず最初に口を開いたヒカルは日本から留学している日本人、
それを受けるミクアは、お母さんが日本人だけどアメリカで生まれたアメリカ人。
では聞いて見てください。

ヒカル:俺がよくあったのは、昔の歴史のことを持ち出されて、ヒロシマって呼ばれたりとか。

ミクア:I remember even one time my teacher called me “Sushi”

シェリー:ミクア先生にスシって呼ばれたの?

ミクア:I was like I was young. I was like I didn’t say anything but that’s stacking with my head. I was like what in the world is wrong with you. That’s so disrespectful like it’s too much, it’s ridiculous.

シェリー:その人の文化に特有なものの名前で人を呼ぶのって、すごく失礼なだけじゃなくて、やっぱり差別偏見なんですね。それを長い差別の歴史の文脈の上に立って言っていることになるので、ここで怒って当然なんですよね。

ミクア:If I reported that man, said “ he called me sushi, he could’ve got fired or something, suspended. But I didn’t say anything because I was younger and I was quiet.

シェリー:もしこれを学校に届け出ていたら、その先生はクビになるか停職処分になっただろうということですが、彼女は若かったしおとなしかったので言わなかったそうです。

ヒカル:スシは俺も言われたなあ。

シェリー:ああそう、日本のスシとかが今みんなすごい好きでしょう?

ヒカル:なんかこっちからすると混乱するんですね。お前らスシ好きやん?って。だから差別なのか好意なのかはっきりしてくれよみたいな。

シェリー:でもなんかバカにされたような感じがする?

ヒカル:多分大多数がそういう意味で使っているんだと思うんですけど。

シェリー:日本にいるアメリカ人にハンバーガーとかステーキとかって呼ぶのと一緒?

ミクア:If I have said “ oh hamburger or chicken or something like that, stereotyping like that, they would be very upset.

シェリー:そんな風に呼ばれたらアメリカ人は火のように怒ると、ミクアは言ってますね。いわゆるステレオタイプってやつだからね。



綿谷エリナ:
スシは言われたこと、あんまりないですけど、でもありますね。あとはゲイシャとかね。

シェリー:
もうそれはトラディショナルですよね。差別なのか好意なのかわからないってヒカルも言ってましたけど…

綿谷エリナ:
でも私「言わないで。言われるの好きじゃないから、二度と言わないで」と言いましたよ。

シェリー:
あ、でもそれ大事なんですよね。言わないと相手もわかんないし、自分の中にもすごくイヤ~なものが残っちゃうので。

とにかくね、こういうステレオタイプ、型にはめるようなやんわりバカにするような言い方するんだけど、本当に言われた方はすごく傷つくし、後々まで残ると。

で、本当にね、これは体験したことないと分からないかもしれないけど、自分の生まれた国で、自分ではどうすることもできない姿・形、受け継いだ文化を笑われたり馬鹿にされると、自己肯定感にもすごく影響するわけですよ。

その背景には長い人種差別の歴史もあるのでなおさら、っていうこともあるので、言う方も気をつけなきゃいけないし、言われた方は即座に否定する必要があるんですよね。

綿谷エリナ:
本当にアメリカで生まれ育ったアメリカ人なのに、っていうところへの配慮があまりにも足りないですよね。

シェリー:
そういう気持ちを持っている人がいるわけだから、そういう人がいるっていうことをわかっているだけでも、まあ分かんないよりはいいのかなと思いますけどね。
「大したことないから」とガマンしてたことが、気付いたら暴力事件に発展してしまったというわけで、彼らの世代から何をどうすればいいのか、と考えているのか。そのあたりも含めて来週も話を続けたいと思います。

綿谷エリナ:
シェリーさん、今週もありがとうございました!

シェリー:
ありがとうございました!

綿谷エリナ:
そしてNY Future Lab、JFNアプリAuDee そしてSpotifyでもぜひチェックしてみてくださいね。次回もお楽しみに。

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