防災をより身近なものとしてとらえるために、
東京の各自治体の防災の取組みについてお伝えしています。
自治体ごとの防災対策は、それぞれの地域の特徴や注意すべき点などを踏まえて、
さまざまな独自の取り組みが行われています。
今回は北区です。
防災・危機管理課長に防災上の特徴について伺いました。
まず地震について(の特徴です)。
区内には、木造住宅密集地域など、地震が起きた時に建物の倒壊や延焼火災のリスクが高い地区があります。
大きな地震が発生した場合、危険度が高い地区にお住いの皆様には特に注意が必要です。
水害については、区内には、大きな河川である荒川をはじめ、
隅田川、新河岸川、石神井川といった4つの河川が流れています。
地域に潤いを与えてくれる河川ですが、大雨の際には、地域に水害をもたらす要因ともなります。
まず地震への対策では、木造住宅が密集する地域の特に危険なエリアを、
東京都が特別な支援をする「
不燃化特区」に指定して、
燃えにくい建物への建て替えを推進するなど市街地の改善に取り組んでいるほか、
こうしたエリアの住宅に対して、地震の揺れを感知して自動的に電気をシャットダウンする
「感震ブレーカー」を無償で配布するなどの取組みを行っています。
一方、水害への対応については、2つのケースに分けて対策や避難行動を定めているということです。
ひとつが、荒川の氾濫が懸念されるということです。
北区(の地形)は、高台が4割、低地が6割(の割合ですが)、
たいへん激しい風雨を伴う台風などが接近して荒川が氾濫すると、
その6割の低地部がすべて水没するだろうと想定されます。
荒川(が氾濫する水害)の場合、大きな特徴として、なかなか水が引かない。
低地部の多くのエリアで、水深が50センチまで下がるのに2週間以上かかると予測されています。
(そのため)区としては、高台への避難を奨励しています。
北区は、京浜東北線を境に低地部と高台がきれいに分かれています。
ぜひ、安全のために、風雨が激しくなる前に、早めの行動をお願いします。
荒川に面するほかの区と同様に、ひとたび荒川が氾濫すると、
長期間にわたって被害が続くため、特別な対応が必要といいます。
もう一つのケースとは、このような場合です。
ゲリラ豪雨など短期集中的に雨が降った場合、荒川は耐えられますが、
石神井川や下水などが一時的に水を処理できなくなって水害となるがあります。
石神井川や下水の氾濫は、比較的短時間で水が引きますが、
一方でなかなか予測が難しく(事前に避難することができないため)、
激しい雨の中で距離を伴う避難は危険なケースもあります。
(区では)浸水被害が予想されるエリアの近くに避難所を設けていますので、不安な方は避難をしてください。
異なる2つのケースで、避難所の場所が違う。
区民にとっては分かりにくいかもしれませんが、安全のため必要な対応なので、理解をお願いしたいとのことです。
荒川の氾濫と、
それ以外の場合の危険度や避難所の情報については、
区が作っている
洪水ハザードマップで、普段から確認しておいてください。
ところで北区には、全国の区市町村でも珍しい、防災関連の施設があります。
北区では、防災に特化した様々な体験・学習ができる防災センター(地震の科学館)を区内に整備しています。
地方から修学旅行で東京を訪れた際に立ち寄って、半日ぐらい、
起震車の体験や消火器の使い方、煙体験、その他防災に関する様々な体験をして学習の場にされている方もいます。
消防署のOB職員がたくさんいて、火事が出たときの対処などを事細かに説明付きで案内しています。
時間があったら是非、施設に立ち寄ってください。
実は今回の取材も、こちらの
防災センターでさせていただきました。
とくにお子さんのいる方は、ぜひ家族で訪れてみてください。
≪関連リンク≫
・北区防災HP
http://www.city.kita.tokyo.jp/bosai-bohan/bosai/index.html