(左から)伊澤恵美子、山田玲司
◆恋愛結婚が幸せの象徴だった時代
「ハッピー・マニア」の物語のおよそ20年後を描いた「後ハッピーマニア」(祥伝社)は、2019年から連載開始。山田は「ハッピー・マニア」が連載されていた当時の時代背景を振り返り、20年の歳月のあいだに生じた「価値観の移り変わり」について分析します。
山田:連載がスタートした1995年って、日本のバブルが終わる最後の祭りをしていた時代なんですよ。「ハッピー・マニア」は、バブル期に「恋愛をしろ」と言われた少女たちの大混乱が終わるまでの物語って感じです。
伊澤:終わり方が卒業のそれというか。祭りの終わり感は確かにあるかもしれないです。
山田:キツいなって思うのが、この頃って雅子様が結婚をしていて、いわゆる婚礼ブームがあったんですよ。「恋をしなきゃだめだよ」ってところから「そろそろ落ち着こうよ」みたいな空気がある時代で。
伊澤:うんうん。
山田:このときに上の世代がバンバン結婚して、今度は育児ブームが到来するわけです。(漫画の主人公は)その流れのなかにいるので、結婚というのが大変に重要なんですよ。恋愛して結婚するのが、一番正しいことだと思い込んでいるんですよね。そこから若い世代になってくると、その価値観から解放されてくるんです。
伊澤:そうですね。
山田:だけどこの頃は(恋愛結婚という)強烈な呪いがかかっている。だから「ハッピー・マニア」でも、ハッピーとは何かを考えているようで、めちゃくちゃ定型に収まっていきます。この地獄が、のちの「後ハッピーマニア」に繋がっていくんですね。
◆20年の歳月が“幻想の幸せ”を打ち砕く
「後ハッピーマニア」では、主人公のカヨコが夫・高橋から突如離婚を切り出されます。45歳になったカヨコに待ち受けていたものは、「子どもなし・スキルなし・金なし」の現実でした。
山田:絶対に裏切らないと思っていた男から離婚を切り出されると。
伊澤:「結婚したら終わりじゃないんですか?」っていう(笑)。
山田:「王子様と結婚をして末永く幸せに暮らしましたとさ」で話をまとめた。だけど、そのあとに人生の真実があるわけですよ。
伊澤:(ハッピーエンド)からの、ってやつですね(笑)。
山田:よせばいいのに、全部描くんですよ(笑)。安野モヨコのサムライっぷりときたら。サムライモヨコですね(笑)。
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<番組概要>
番組名:山田玲司とバグラビッツ
配信日時:日曜22:00配信
パーソナリティ:山田玲司、伊澤恵美子
番組Webサイト:
https://audee.jp/program/show/100000214