"Jazz & Vocal Night"はジャズ・ロック特集!

topics



音楽プロデューサー、八島敦子さんの出演による"Jazz & Vocal Night"
毎月第2週は「ジャズ・ヒストリー」
第8回の今回は「ジャズ・ロック特集」でした。

ジャズは、時代の流れをくみとってきた音楽。
1960年代には、ザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズなど、
電気楽器を使うロック・ミュージックの影響を受け、
ジャズにおいても電気楽器を使ったロック的なスタイルを取り入れていこうという
ムードが生まれ、その流れは後にクロスオーヴァー、フュージョンといったサウンドに
なっていきます。

ジャズの電気化、その中心となったのは、マイルス・デイヴィスです。
マイルスがジャズの歴史をつくってきました。
彼が1960年代に結成したクインテットのメンバーは、ハービー・ハンコック、
ウェイン・ショーター、トニー・ウィリアムス、ロン・カーター。
マイルスは、ハービー・ハンコックにエレクトリック・ピアノを演奏するようアドバイス。
ロック・ミュージックのビートと楽器の電気化の要素をジャズに取り込もうとし始めます。これが、ジャズ・ロックの始まりです。
このクインテットの演奏で
♪”Stuff”

1962年22歳でファースト・ソロ・アルバム”Takin’ Off”を発表した
ハービー・ハンコックは、マイルス・クインテットに抜擢されます。
八島さんがハービーから直接聞いたマイルスのエピソード。
クインテット在籍時、ハービーが間違えて違う音を弾いてしまうと、マイルスは怒りもせず
その間違えた音から全く新しい音楽を作っていくとのこと。
”Takin’ Off”のアルバムよりハービー・ハンコック
♪Watermelon Man

マイルスの黄金クインテットのメンバーは、それぞれの道を歩み始めます。
マイルス自身も固定のメンバーを持たず、
その時のニーズに応じてメンバーを集めるようになっていきました。
その頃のメンバーの1人が、チック・コリアです。
チックが参加した“キリマンジャロの娘”のアルバムから
♪”Frelon Brun”

ハービー・ハンコックとチック・コリアといえば、良きライバルであり、
互いをリスペクトしあう親友同士。
ニューヨークのブルーノートで開催されたチック・コリア、75歳を記念したイベントから
マイルスの遺伝子を受け継ぐ2人の共演です。
♪”Cantaloupe Island”

ハービー・ハンコックがマイルス・グループから離れ、
オーストリア出身のピアニスト、ジョー・ザヴィヌルをマイルスは起用します。
シンセサイザーなどの電子楽器を駆使し、若き精鋭たちを集め、
ロックの要素を色濃くする試みを続けました。
ジョー・ザヴィヌルはエレクトリックとアコースティックの両方を弾き、
ファンキーでソウルフルなサウンドを得意としていました。
彼がキャノンボール・アダレイのために書いた、ジャズ・ロックを代表する名曲
今日はライヴ・ヴァージョンでお送りしました。
♪”Mercy, Mercy, Mercy”

若き才能を発掘して育てながら、ロックとの融合を図り続けたマイルス・デイヴィスは、
満を持してジャズとロックの境界線に大胆に挑んだ作品を発表します。
それが、“Bitches Brew”
発売と同時に50万枚をセールスした大ヒットアルバムです。
マイルスは、あらゆるビートを取り入れたいと願い、
このアルバムはファンキー、アヴァンギャルド、クラシック、エレクトロニクスなど
様々なビートが混ざり合った作品です。
マイルスは、クールとバップも両立させ、ジャズとロックを融合。
ウェザー・リポートやリターン・トゥ・フォーエヴァーが登場する
1970年代のフュージョン時代の幕開けを告げる作品
♪”Bitches Brew”

“Bitches Brew”のアルバムは、ロック・アーティストにも影響を与えます。
ロック・フィールドからジャズの要素を取り入れたソフト・マシーン
♪”Teeth”

今回の特集のラストは、フルート奏者、ハービー・マンの
♪“Memphis Underground”

来週は、「映画とジャズの関係」を特集します、お楽しみに!