5月といえば、寿々歌さんは、弟さんと折り紙や新聞紙で兜を作って遊んでいたそうですが、子供の遊びには不思議なパワーがあることがあります。
予言歌といい、子供が無意識に歌っている歌が、ほんとのことになってしまったり・・
井戸さんの家には、一年中、ホンモノの兜が飾ってありました。
兜のモチーフに、蜻蛉(とんぼ)がついているものがあります。
勝ち蜻蛉といわれ、前にしか進まない、先にすすむ強いイメージが好まれました。
蝶々の柄の着物が好きな子供の命ははかない、とも言われました。
よもぎつみも この季節の楽しみ。
よもぎは、女性の血の道にいいと言われます。冷えを解消し、血液をきれいにします。
どくだみは、十薬と言われ、十の効能があるといわれます。胃腸薬、化粧水、シミとり・・
昔の人は繁殖力が強いのを見て、なんでも使えると思ったのでしょう。
あやめ、菖蒲、カキツバタの季節でもあります。菖蒲をアヤメと読むこともありますが、花あやめは、土に咲きます。
菖蒲やカキツバタは水辺に咲きます。
菖蒲は、花は咲かず、葉っぱだけのもの。
菖蒲湯で使うのは、この花の咲かない菖蒲。
葉は剣の形、剣払いといい魔を退けます。
菖蒲湯に入り、身体をあたため、清潔にすることは疫病対策でした。
男の子の遊び、チャンバラごっこやメンコは運だめし。
こどもは神の子、いろいろな力を寄せ付けます。
こうした遊びから力が一番強い子、よい運気の子をたてて、
周囲にもよい運気が来るように祈りました。
弱い子、よくない運気の子には、呪いがこないようにまつる身代わりの人形をそばにおきました。“稚児(あまがつ)”といいます。
武者人形のルーツは、昔の貴族などの子供を守るこうした風習にあるそうです。
そして・・、話は、現代にとび、人形を持ち歩く女の人の怖い話へ・・。次回もお楽しみに!