第295回 田頭真理子さん①

ゲストは、写真家の田頭真理子さんです。



田頭さんは、広島県尾道市出身。高校卒業後、写真家を志し、
2006年からフォトグラファーとして国内外で活動されました。
雑誌・広告などの撮影のかたわら、
地域の祭り、文化に関わる方々の撮影も続けていらっしゃいます。


「私はプリクラ世代なので、写真ってそんなものだと思ってました(笑)
 きっかけは突然なんですけど....高校卒業後に、
 旅好きだったので旅行代理店のアルバイトをし始めて、
 長崎のハウステンボスに添乗員の仕事で行ったんです。
 そこで、立木義浩さんのモノクロポートレートの写真を見て
 固まってしまったんです。著名な方の肖像写真なんですけど、
 テレビで見ていた表情や人となりが見えた気がして。
 『私もこんな写真を撮ってみたい』と思ったのがきっかけです。」

その後、田頭さんは、京都で開催された立木義浩さんの個展に赴き、
追っかけのファンのような形に!

いつか弟子にしてほしいという熱意を持ったま、あ
立木さんの東京の事務所に行った、19歳の時。
”修行だと思って” と客船飛鳥の船内カメラマンの試験を勧められ、
見事合格! 1年間、世界1週の客船での生活を経験されました。

「めちゃくちゃ下手くそで!
 人の顔が切れてるとか、景色がうまく入ってないとか(笑)
 100日間同じお客さんと過ごして、最後の日に横浜港で、
 ”田頭さん、写真うまくなったわね”って言われたんですよ!
 そういう恥ずかしい経験をして、学校に通いました...(笑)」



田頭さんは、写真の力で
復興を後押しするイベントに参加された経験をお持ちです。
最初に被災地を訪れたのは、東日本大震災が起こったおよそ1ヶ月後。

「目の前に、現実なのかと疑うような光景を見て、ショックを受けて
 被災された方になんて声をかけたら良いのかもわからず。
 私も、何が自分に出来るのか悩んでいたら、
 地元の方から、声をかけてくださったんです。どこから来たのって。
 崩れた軒下でお茶出してくれたりして、泣けてきちゃって。
 そこから、通うようになりました。」

東日本大震災から2年ほどは、現地に通い
話を聞く事や、ボランティアなどに参加されていたそう。
その後、ワークショップや写真展を開催。

さらには、現地で撮影した風景や生活する人々の写真と
田頭さんが地元の方とのお話で印象に残った言葉をまとめた
動画も制作され、youtubeで公開されています。

▼「みちのくの、ひと」 写真 田頭真理子 音楽 ディム・ジャニス
https://www.youtube.com/watch?v=NvLYQyl-qTk

「現地に行くと、私が勇気付けられて元気をもらったりしてるんです。
 でも、完全に復興しているわけじゃなくて、まだまだ課題もあるし。
 入れないところもあるのが事実なんです。
 だから、今度は逆に、メディアとは違う1個人として、
 その場の声を発信できるようになったら良いなと思ってます。」


来週も田頭さんにお話伺います!お楽しみに。


M1. 愛を奏でて (映画「海の上のピアニスト」より)
              / エンニオ・モリコーネ & Gilda Buttà