声優界随一のサイクリスト・野島裕史が、自転車をテーマにお届けしている番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。5月22日(土)〜5月25日(火)の放送は、当番組プロデューサーの小西をスタジオに迎えて、特別企画「石垣島トライアスロンレポート」をお届けしました。
(左から)小西正喜プロデューサー、野島裕史
◆練習では完走できず…ぶっつけ本番へ
野島: 4月11日(日)に開催された「石垣島トライアスロン2021」に、初めてソロで参加された小西さんに、まずは大会に向けたトレーニングについてのお話を伺いたいと思います。石垣島トライアスロンの競技は、スイム1.5km、バイク40km、ラン10kmのオリンピックディスタンスと言われるものですけど、ソロでの参加が決定してトレーニングはされたんですよね?
小西:そうですね。石垣島トライアスロンはリレーの部に出たことがあり、バイクで1回、ラン1回参加しました。僕がランで出たときは、野島さんがバイク担当でしたよね。その経験があったので、スイムができたら“トライアスロンを1人でできるんじゃないか”と思って、1度近所のプールに行ってみたことがあったんですけど、まぁ泳げない(苦笑)。
野島:全然ですか?
小西:全然泳げなかったですね(笑)。そのときは確か、300mを休みながらやっと泳げたという感じでした。
野島:石垣島トライアスロン(のスイム)では、1.5km泳がなきゃいけないですからね。300m泳ぐのがやっと?
小西:やっとでした。
野島:しかも、(本番では)スイムした後、バイク40km、ラン10kmをやらなきゃいけないけど、その体力も残っていないぐらいの状況から(トレーニングが)始まったわけですね。
小西:そうです。
野島:具体的にはどのようなトレーニングをしていったのでしょうか?
小西:まず毎週1回は泳ぐようにしました。大会へのエントリーは昨年の12月だったので、それ以降はプールに通いました。ただ、どうしても距離は泳げないんですよ。
野島:僕もスイムが一番つらいのでその気持ちはわかります。
小西:どう泳げばいいのか、リレーチームのスイム担当に話を聞いてみたところ、「(距離がを泳げないのは)速く泳ごうとしているからだ」と言われまして。トライアスロンはクロールで泳ぐので、(意識的に)どうしても速く泳ごうとしていたんです。なので、まずはゆっくり泳ぐ練習をしました。
野島:なるほど。それは目からウロコですね。
小西:その練習を始めて、12月の終わりには休みながらですけど大体1kmぐらいは泳げるようになりました。あと、「青山トライアスロン倶楽部」というスポーツクラブでトライアスロン初心者向けのコースが開設されていたので、週1回だけですが、スイムのレッスンに通っていました。
野島:その成果で大会の1週間前には、1.5kmを泳げるようになったそうですね。スイムには苦労されましたけど、バイクの40kmは余裕ということで練習の必要がないぐらいですし、ランももともと走られていたのでおそらく10kmも大丈夫だろうと。でも大事なのは(3種目)“通し”の練習ですよね。
小西:そうですよね。通しの練習は、本番の1週間前に1回やったきりで。しかも、最後のランは体力的に5kmしか走れなかったので……“ぶっつけ本番でやるしかない”と。
野島:(本番の)1週間前は完走できなかったんですね……なかなかの突貫工事でしたね。
◆結果は見事完走! 次回出場にも意欲
野島:ぶっつけ本番で迎えた大会当日はどうでしたか?
小西:おかげさまで、本番は完走できました。
野島:うわぁ、よかった! トライアスロンは完走することに意義がありますからね。3種目のなかで、一番つらかったのは?
小西:やっぱりスイムですね。突貫のトレーニングだったので、クロールの息継ぎの練習は右側しかやらなかったんですね。行きは左から波がきていたので息継ぎが楽だったんですけど、帰りのときは……(苦笑)。
野島:そうだ、周回コースですもんね(笑)!
小西:帰りは、息継ぎしようとちょうど顔を上げた瞬間に波がくるので、一瞬おぼれかけまして……少しだけブイにつかまって休みました。
野島:それはルール上、オーケーなんですか?
小西:はい。ブイやロープを伝って進むのはいけないんですけど、休むのはオーケーです。
野島:そして、なんとか泳ぎきった後のトランジット。着替えなどはいかがでしたか?
小西:速い選手は裸足でそのままシューズを履いてバイクに向かうんですけど、僕は着替えの時点で足回りをちゃんと整えようと思って。水でちゃんと足を洗って砂を落として靴下も履いて……そこからはもういつも通りでしたね。
野島:体力が残った状態でバイクに乗ることができたと。
小西:いや、いっぱいいっぱいだったと思います(苦笑)。
野島:バイクの目標タイムはありましたか?
小西:一応(40kmを)1時間半目安でと思っていたんですけど、本番では全然ダメでしたね(苦笑)。風も強くて。
野島:そして、一番得意のランはいかがでしたか?
小西:2種目を終えてのランは、足が全然進まなかったですね。
野島:大会1週間前の通し練習では、5kmしか走れなかった状態からの10kmということで、5kmを過ぎたあたりから相当つらさがきたのでしょうか?
小西:いえ、もう最初の段階からつらくて……。
野島:体に相当負担がかかっていたんですね。気温も高かったですか?
小西:そうですね。水を頭からかぶりながら走っていました。
野島:そんな状態だったんですね。ランは1時間ちょっとで終えて、トータルでは3時間33分39秒という結果だったそうですね。目標タイムは立てていたんですか?
小西:一応(目標タイムは)3時間半でした。
野島:ということは、ほぼ目標タイムですね。
小西:完走できただけでもうれしかったですね。
野島:やはりチームで出場したときとは、達成感も違いました?
小西:そうですね。チームのときはチームのときで喜びがありますけど、ソロのときは自分の心が折れてしまうとダメだろうなと思っていました。ランのときは何度“歩こう”と思ったことか(笑)。
野島:かなり精神面が試されそうですね。つらかったトライアスロンを終えてみて、いかがですか?
小西:またチャレンジすると思います。
野島:もう練習法もわかっていますし、次は記録を伸ばすことも期待できそうですよね。
小西:まだまでですが(苦笑)、頑張りたいと思います。
次回5月29日(土)〜6月1日(火)の「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」は、野島裕史のサイクルコラム「未来の自転車!」をお届けします。どうぞお楽しみに!