渡辺さんは、1955年愛知県名古屋市生まれ。
青山学院大学在学中に、フォークグループ"赤い鳥"に加入され
プロとして音楽活動をスタートされました。
その後、アメリカ留学を経て、作編曲家・音楽プロデューサーとして
映画、テレビドラマ、アニメ作品など、
幅広いジャンルの音楽を手掛けていらっしゃいます。
また、指揮者としてもご活躍中です。
朝ドラでは、『ノンちゃんの夢』(1988)、『かりん』(1993)、
『どんど晴れ』(2007)『おひさま』(2011) を手掛けられました。
「『おひさま』は、まさか東日本大震災の直後になるとは
引き受けた当時は思ってもみなかったですけど...
偶然ドラマの内容が、戦争を乗り越えて、明るく生きていくという
常に前向きな、太陽のような陽子がテーマでした。
当時は、日本全体が暗い気持ちだった中で、
励ましをもらったという声をいただく事ができました。
人間に影響を与える芸術作品はありますが、
自然に耳に入る音楽には、不思議な力があるな、と思いましたね。」
現在までに数多くの作品を手掛け、
累計 1万曲を超える音楽を世に送り出してこられた渡辺さん。
特殊なケースの大河ドラマでは、
毎週15曲程度を新たに作ることになるため、
1作品で700曲以上になることも...
「同じメロディーでも、編曲しますので、
実際に書く時は3〜4日間で書いて、録音して。
1週間のうちに1日休みがあって、また書くという生活です。
毛利元就の時は、モスラが重なって大変でした...(笑)
この日は、こっちの作品、と1日づつ分けて並行しますね。
映像作品の場合は、演出家・監督の思いに応える事を
1番大切にしています」
打ち合わせなどで、考えを聞き取りながらも、
抽象的なイメージのすり合わせは言葉だけでは探れないそう。
そのため、”役者のように作品に没入できる” ことが
楽曲作りで大事になってくるのだそう。
さらに、オーケストラ向け楽曲の作曲や編曲も手がけられていて、
渡辺さんプロデュースのコンサートでは
フルオーケストラの生演奏の魅力を伝え続けていらっしゃいます。
「クラシックは日本では敷居が高いと思われていますが、
フルオーケストラの生音の魅力を1人でも多くの人に
知っていただきたいという思いで、
オーケストラだけの場合には、耳馴染みのある音楽を編曲し
ゴージャスにお聞かせするようにしています。」
コンサート情報は、渡辺さんの公式サイトをご覧ください。
https://toshiyuki-watanabe.com
来週も渡辺さんにお話伺います!
M. 宇宙兄弟のテーマ / 渡辺俊幸