第298回 渡辺俊幸さん②

ゲストは先週に引き続き、音楽家の渡辺俊幸さんです。



作編曲家・音楽プロデューサーとして
映画、テレビドラマ、アニメ作品など、
幅広いジャンルの音楽を手掛けていらっしゃる渡辺さん。
ご出身は、愛知県名古屋市です。

渡辺さんのお父様は、『マジンガーZ』などを手がけた
作曲家:渡辺宙明さんです。

「子供の事から、父は私を音楽家にしたかったと
 はっきりとしていました。音感教育やピアノをやりました。
 ピアノは厳しくて、嫌になっちゃったんです(笑)
 ただ父は、音感教育だけは続けなさいと言って、
 結果的に母が先生になって、小学校6年生まで続けました。
 結果的には良かったですけど、当時は苦痛でしたね。
 全く、楽しくないですね(笑)」

そんな音楽家としての英才教育を受ける中、
小学4年生の時、テレビから流れてきた
BEATLES "A Hard Day's Night" に衝撃を受けたそう。

そこから、ドラムに興味を持ち、
中学から実際にドラムを叩くようになり、
バンド結成をされたのだとか!

「音感教育を受けていたので、中学1年でいろんな曲をコピーして
 それをバンドメンバーに教えると。
 そして、どんどんバンドがうまくなり、中学3年の時に
 森本レオさんがやっていた東海ラジオの番組で
 楽曲コンテストがあって 1位になったら録音してくれるというので
 私は生まれて初めて作曲しました。それが見事1位になりました!」

その後、プロを目指すために上京。
高校時代もバンド活動を続け
同級生である矢野顕子さんとも活動するなど、
プロになるために日々を過ごされたそう。

そして青山学院大学に入学し
すぐにフォークグループ"赤い鳥"に加入。
プロとして音楽活動をスタートされました。

その後は、さだまさしさんの専属音楽プロデューサー、
編曲家を務められました。

「赤い鳥として私がいた事務所に、半年ずれて
 さだまさしさんのグループが入ってきたんです。
 赤い鳥は解散した後は、サポートバンドの一員なってて。
 グレープが解散コンサートする事になった時、さださんから
 ”解散の後、またバンド作る事になったら一緒にやらないか”
 って言われたんです。でも、彼の才能がすごいかってたので、
 1人でやった方が良い、プロデューサーとしてなら
 どこまでも支えるからって説得して、今に至りますね。」



第一線で活躍を続ける渡辺さんは、後進育成にも尽力されていて
現在では、洗足学園音楽大学 音楽学部
音楽音響デザインコースの客員教授を務めてていらっしゃいます。

作曲・録音エンジニアリング・映像音楽など
時代の変化に沿った、実践的な指導もされています。

門下生には、
大間々昂さん (映画『スマホを落としだだけなのに』など)
眞鍋 昭大さん(ドラマ『SUITS/スーツ』など)
やまだ豊さん(TVアニメ『東京喰種トーキョーグール』など)
といった、活躍する作曲家が大勢いらっしゃいます。

「彼らは皆同期ですね。当時の彼ら、よく頑張りましたね。
 プロになる子は、1年のときからの意欲が違いますね。
 こういう風に活躍してくれると、本当嬉しいです。
 卒業後、7割はプロになれないです。
 それでも、音楽を4年間真剣に学びますから、卒業生には、
 ”スペシャリストとして、音楽文化に貢献してほしい”と
 伝えるようにしています。」

新作オペラなどの情報は、
渡辺さんの公式ホームページをご覧ください。
https://toshiyuki-watanabe.com


最後に、渡辺さんの”元気の源” について伺いました。

「『人が喜んでくれること』ですかね。
 そのためにすべての仕事をしています。
 まだミュージカルをやり残していますので、
 いつかやってみたいと思っています。」


これからもご活躍を楽しみにしています!
2週にわたり、ありがとうございました。



M. 「利家とまつ」・颯流(メインテーマ) / 岩城宏之指揮 NHK交響楽団とオーケストラ・アンサンブル金沢の合同メンバー