音楽プロデューサー、八島敦子さんが出演する"Jazz & Vocal Night"
今回は、今年2月9日に亡くなったピアニスト、チック・コリアの追悼特集。
本来であれば、6月12日に80歳の誕生日を迎えるはずだった
チックさんの生涯とレガシーを祝福して、たっぷりとチック・コリアの音楽を
お届けしました。
まずは、1996年のボックス・セット ”Music Forever and Beyond : The Selected Works”で
発表された、8歳のチック少年の録音
♪”I Don’t See Me in Your Eyes Any More”
チック・コリアは、1960年代、コロンビア大学、入学のため
ニューヨークに移り住み、自身のリーダー作を出経て、
マイルス・デイヴィス・バンドに加入。
「ビッチェズ・ブリュー」ではエレクトリック・ピアノを弾くなど、
歴史的な作品に参加しました。
チックさんは、当時、様々なミュージシャンに出会い、刺激を受け、
自分ならではの音楽を模索していくなかで、
フリー・ジャズの前衛的な作品も録音します。
1970年、サークルとしてレコーディングした
♪”Starp”
チック・コリアのフリー・ジャズの演奏は、
チックさんのイメージと違うと思われるかもしれませんが、
チックさん自身も「こういう演奏では、私たちが一方的にメッセージを送るだけ。
こうした演奏は面白いけど、聴衆を無視している。」と感じたそうです。
そして、サークルを解散し、聴衆と積極的にコミュニケーションできる音楽を目指します。
“Return to Forever”のアルバムから
♪” What Game Shall We Play Today”
そして、1973年のアルバム「Light as a Feather」から、チック・コリアの代表作です。
♪“Spain”
(ジャケット写真:Universal MusicUCCU-40137)
50年以上のあいだに50回以上も来日したチック・コリア。
自身のアイデアや企画を実現させるグループ「JAPAN RAMEN KIDS」が発足。
八島さんも参加するこのグループは、ラーメン好きのチックさんがネーミング。
チックさんのプロモーターとして活躍してきた小高秀一さん、
チックさんのアルバムを手がけてきたレコード・プロデューサーの青野浩史さん。
この「JAPAN RAMEN KIDS」3人で、
24日発売「ジャズ批評」222号で鼎談しています。良かったらご覧ください。
チックさんは、色々なプロジェクトを進める際、
年齢も上下関係もなく、ひとりの人間としてこちらの考えを尊重してくれ、
とにかく自由に発想して色々やってごらん、というスタンス。
チックさんには、好奇心旺盛で自由で柔軟な発想をもった
「子どものような純粋な心」があったと感じることもありました。
♪”Children’s Song No.10”
八島さんがずっと憧れていたバンド、The Chick Corea Elektric Band
ジャズフェスのプロデューサーとして、ずっとこのバンドの招聘を夢見ていましたが、
2019年の東京JAZZにエレクトリックバンド(アコースティックバンド)での出演が
最後の来日となってしまいました。
“Got a Match?”
1968年の初来日から、日本人と日本の文化をこよなく愛してくれたチック・コリア。
お休みをとることはほとんどなかった彼ですが、
1983年の冬、家族とともに京都で長期休暇をとりました。
その時に作曲したのが
『銀閣寺=Silver Temple』by The Chick Corea Elektric Band
来週の"Jazz & Vocal Night"は、世界ジャズ紀行:フレンチジャズ編です、お楽しみに。