防災 FRONT LINE

防災 FRONT LINE

記事コンテンツ

【東京23区】江戸川区 ~ 大規模な水害時には「広域避難」を!宿泊費を補助する独自の制度も

毎週土曜日オンエア「防災FRONT LINE」のスピンオフ版。
東京23区の防災の取組みを、各区ごとにピックアップして紹介します。

防災をより身近なものとしてとらえるために、
東京の各自治体の防災の取組みについてお伝えしています。
自治体ごとの防災対策は、それぞれの地域の特徴や注意すべき点などを踏まえて、
さまざまな独自の取り組みが行われています。

今回は江戸川区です。
どのような特徴がある区なのか、防災危機管理課の統括課長に話していただきました。

江戸川区は、西に荒川、中川、東に江戸川、旧江戸川、そして南に東京湾と、三方を水に囲まれています。
水辺の環境が良いというところで、自然豊かなまちであるというところが、まず挙げられます。
裏返すと、その自然が暴れてしまうと大きな災害に繋がってくるというところもあります。
先人の方々が、いろいろと、堤防の整備や下水の整備をしてくださったので、
70年ぐらい大規模な水害は発生していませんが、
台風などが巨大化してきていますので、
やはり大規模水害に備えていかなければいけないという土地柄になっています。


江戸川区は、緑と水に恵まれた暮らしやすいまちですが、
その反面、区のおよそ7割が海抜ゼロメートル地帯ため、
大規模な水害が発生すると、ほとんどの地域が水没してしまいます。

このため、ホテルなどの宿泊施設や、親戚、知人の家など
区外の安全な場所へ避難する「広域避難」が必須となります。

江戸川区では、区民が広域避難を実践しやすいよう、宿泊施設を利用した場合の費用を、
1泊あたり3,000円、最大3泊まで補助する制度を独自の施策として設けています。

広域避難の必要性について、防災危機管理の統括課長はこのように話します。

江戸川区は最下流に位置しているということもあって、
いざ大規模な水害が発生してしまうと、水が1週間から2週間以上引かないと言われていて、
人工的に水を出さないと、自然には流れ出ないという地勢になっています。
(マンションの高層階など)高いところにお住まいの方は、
「籠城避難」(すなわち)在宅で避難するという考えの方もいるかもしれませんが、
1週間から2週間、水が引かないということを考えていただきたいと思っています。
ひとつは、ライフラインがすべて止まってしまって、
真夏の暑い時期に起こる災害ですから、エアコンも効かない暑い中で避難を続けなければならなくなります。
また、備蓄で食料は用意したとしても、排泄の処理が出来ないということになります。
ゴミや排泄によって感染症を起こすということもあり、それが二次災害になる可能性もあります。
そうした中、(住民が)孤立してしまうと、行政側はいろいろな手段で救出にあたることになりますが、
試算すると1日(に救出できるのは)約2万人、
これは消防、警察、自衛隊すべて動員したうえでの最大の人数と言われています。
テレビで、ボートやヘリコプターによる救出の場面を見たことがあると思いますが、
江戸川区だけでも70万人の方がいらっしゃいます。
仮に半分の方が避難しても、救出にどれくらいの時間がかかるかは、想像していただければ解るかと思います。


江戸川区の水害ハザードマップは、冊子になっていて、解説つきの解りやすい内容となっています。

この中には、自分自身の避難行動を記入できる「わが家の広域避難計画」というシートが挟まれていますので、
ぜひ家族で話し合って、広域避難の計画を作ってみましょう。

ハザードマップの見方や、広域避難計画の作り方などについては、
出張説明会なども可能だということですので、区の危機管理部へ相談してみてください。

このほか、「わが家の防災」というリーフレットや、
マンション防災のコツを紹介するパンフレットなどもあって、区のホームページでも閲覧できます。
災害時に情報を配信するメールサービスや区の公式ツイッターアカウントの紹介もありますので、
ぜひ一度、確認してください。

≪関連リンク≫
・江戸川区 防災HP
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e007/bosaianzen/bosai/index.html

コンテンツ一覧

阪神・淡路大震災から30年 変わらぬ災害関連死問題 音声

阪神・淡路大震災から30年 変わらぬ災害関連死問題

能登半島地震 被災地の今と今後 音声

能登半島地震 被災地の今と今後

能登半島地震 被災地の今 音声

能登半島地震 被災地の今

ホテルを活用した二次避難所 音声

ホテルを活用した二次避難所

ふるさと納税で 被災地を応援 音声

ふるさと納税で 被災地を応援

南海トラフ地震臨時情報が出た時の私たちの受け止め 音声

南海トラフ地震臨時情報が出た時の私たちの受け止め

災害関連死を防ぐ 口腔ケア 音声

災害関連死を防ぐ 口腔ケア

地震発生の確率~専門家の解説 音声

地震発生の確率~専門家の解説

冬の雨にも注意 音声

冬の雨にも注意

“歯磨き”が命を守る!? 避難所生活で「使える水が少ない」ときの“口腔ケアの方法”を紹介 記事

“歯磨き”が命を守る!? 避難所生活で「使える水が少ない」ときの“口腔ケアの方法”を紹介

地震の専門家が警鐘「生きている間にほぼ間違いなく巨大地震が起きる」地震発生の“確率”について解説 記事

地震の専門家が警鐘「生きている間にほぼ間違いなく巨大地震が起きる」地震発生の“確率”について解説

「ふるさと納税」で被災地を応援…自治体の収入に直結する「災害支援寄付」について解説 記事

「ふるさと納税」で被災地を応援…自治体の収入に直結する「災害支援寄付」について解説

“能登半島地震”を教訓に…都内で進む「ホテルを活用した二次避難所」の取り組み 記事

“能登半島地震”を教訓に…都内で進む「ホテルを活用した二次避難所」の取り組み

「地震の被害」を最小限にするためには? 東京大学名誉教授が言及「現在の建築基準法に適用している家は、すぐには倒れません」 記事

「地震の被害」を最小限にするためには? 東京大学名誉教授が言及「現在の建築基準法に適用している家は、すぐには倒れません」

“スポーツ”をしながら“防災”を学ぶプログラム「ディフェンス・アクション」を都内で実施!「“遊び感”をどう加えていくかがすごく大事」 記事

“スポーツ”をしながら“防災”を学ぶプログラム「ディフェンス・アクション」を都内で実施!「“遊び感”をどう加えていくかがすごく大事」

体を動かしながら「防災知識」を楽しく学ぶ!“スポーツ”と“防災”を掛け合わせたプログラム「ディフェンス・アクション」を紹介 記事

体を動かしながら「防災知識」を楽しく学ぶ!“スポーツ”と“防災”を掛け合わせたプログラム「ディフェンス・アクション」を紹介

発災直後は“住民同士で助け合う”ことが重要…「マンション防災」におけるポイントを専門家が解説 記事

発災直後は“住民同士で助け合う”ことが重要…「マンション防災」におけるポイントを専門家が解説

9月24日に伊豆諸島の各地で“津波”観測…地震の原因は「海底火山」? 専門家が解説 記事

9月24日に伊豆諸島の各地で“津波”観測…地震の原因は「海底火山」? 専門家が解説