これからの時代の主役となる「Z世代(10代~22歳)」と「ミレニアル世代(23歳~38歳)」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どうした性質や特徴があるのか、さらにグローバルビジネスや海外進出企業も知りたいこれからの消費動向について、ミレニアル・Z世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していく。
☆シェリーさんのPresident記事はこちらから!
▶
本記事の音声はこちらからお聴き頂けます!
今回はアメリカのZ世代がオリンピックについてどう考えているかについて
<本記事を要約すると…>
●アメリカのZ世代はオリンピックにほとんど興味を抱いていない。話題になることも少ない。
●データ上でも、アメリカの18~34歳の2016年のオリンピックの視聴率は、2012年と比べ3割も減ったことが明らかになっている。
●オリンピックはZ世代の若者にとって、"平和の祭典"というイメージよりも、"ビジネス色のつよいイベント"というイメージの方が強い。
●W杯や4大大会など、目指すべき大きな大会のある種目ならばいいが、五輪を目指しているアスリートも非常に多く、オリンピックが無くなるということはないのでは、という意見も。
●JOMO 【Joy of Missing Out】とFOMO【Fear of Missing Out】という言葉がある。
すなわち、JOMOは【流行りや周りに取り残される事に、むしろ喜びを感じる】という意味。
反対にFOMOは【置いていかれる事への恐れ】を指す。
Z世代はまさに"JOMO"の世代、一方ミレニアル世代は"FOMO"の世代と言える。
■━■━■━■━■━■━■━■━■━■━■━■━■━■━■━■━
綿谷エリナ:綿谷エリナのOn The Planet 。この時間は「NY Future Labミレニアル・Z世代研究所」です。
ヒカル:Hi I’m Hikaru,
シャンシャン:Hi. I’m Shan Shan.
ミクア:Hi I’m Mikua.
ケンジュ:Hi I’m Kenju .
メアリー:Hi I’m Mary and welcome to NY Future Lab 2021.
綿谷エリナ:
今夜もニューヨーク在住のジャーナリストでミレニアル世代とZ世代評論家・シェリーめぐみさんと電話が繋がっています。シェリーさん!
シェリー:
エリーさん! こんばんは~!
綿谷エリナ:
こんばんは!そちらはどうですか?
シェリー:
アメリカ、CDCがね、日本を含む複数の国への渡航警戒レベルを一段階引き下げたんですよ。これ日本でもニュースになったかな?
綿谷エリナ:
一部なってましたよ!
シェリー:
でね、5月下旬に渡航中止勧告(レベル4)を出したんですね。それをレベル3の「渡航再検討」っていうレベルに下げたんです。これもアメリカの成人が、一回でもワクチンを接種した人が6割を超え、NY州に関してはもうすぐ7割、ということもあると思うんだけども、まだワクチンを接種していない人に対しては、不要不急の旅行は避けるべき、ということなんです。
ただね、そもそも日本は基本的にアメリカ人を含む外国人の入国を認めていないんですね。だから引き下がってもあんまり一般人には関係ないかな、というのもあるんですけど、ただオリンピック選手は例外で、ちゃんと入って来れると。彼らにとっては不安が少し減ったのではないかなと思います。
綿谷エリナ:
ヨーロッパの方も引き下がった、というニュースも聞こえてきていますが、どうなっていくのか気になっています。
またNYの事情も教えて下さい。
さて、NYのミレニアル世代・Z世代が本音で座談会するNY Future Labなんですが、今日はどんな話題ですか?
シェリー:
はい、きょうはお約束通りオリンピックに関して彼らの意見を聞くんですけど、オリンピックの是非論がアメリカでも大きな話題になっているということは、別の曜日でもお伝えしたし、ニュースでもご覧になったりしてご存知じゃないかと思うんだけど、Z世代の若者はどう思っているのか?聞いてみると、どうも反応が悪いんです。
綿谷エリナ:
そうなんですね?
シェリー:
もしかして、オリンピックにあんまり関心ない?と思って聞いてみたんですよ。どんな答えが返ってきたか。まず今年秋から大学院生になるメアリーから聞いてみてください。

メアリー:I think it definitely like older generation kind of maybe.
シェリー:やっぱりオリンピックに興味を持つのは年長者かな。
メアリー:But I’m really interested in the opening ceremony and closing ceremony over time. That’s really it.
シェリー:私が興味があるのは開会式と閉会式だけかな。
メアリー:If it’s a country I’m really interested in, they’ll have like display of like their countries.
シェリー:興味がある国の文化の特色をすごく良く見せてくれるから。
メアリー:There was one performance from Beijing Olympics that haven’t forgotten.
シェリー:2008年の北京オリンピックがすごく印象に残っている。
ケンジュ:I’m interested in but I haven’t watched them since long time.
シェリー:興味ないことはないんだけどほとんど見てないな。
ミクア:I’m not interested.
シェリー:ミクアは全く興味ない。What about Shan Shan?
シャンシャンI’m still interested in the skating event. But then my favorite athlete has retired.
シェリー:スケートだけは見ていたけれど、好きだった選手が引退してしまった。みんなの同級生とか友達はどうなの?
メアリー:They don’t even talk about it.
シェリー:話題になっているのを全く聞いたことがない。
ミクア:They never talked about it. I assume they don’t care or they don’t even know about it honestly.
シェリー:興味ないし気にしてないし、全く知らないと思う。
シャンシャン:The younger generations are focused on something self-related.
シェリー:若者はもっと自分に関係があることに興味があるんだと思う。
シャンシャン:Sports are more sort of like, older mainly predominantly male.
シェリー:スポーツに興味があるのは年長でほとんど男だと思う。
綿谷エリナ:
ふーん!そういう印象なんですね。
シェリー:
でね。いま、シャンシャンが言ってるのは、スポーツ観戦に興味があるのは年長の男性という意味ですからね。観戦の。
で、観戦でいうとね、アメリカの18~34歳の2016年のオリンピックの視聴率は、前回の3割も減ったそうなんです。
綿谷エリナ:
3割!?結構大きいですね。
シェリー:
だんだん若者が見なくなっているということです。でね、今回からスケボーが加わるじゃないですか。これからもっと若者にアピールするスポーツを増やさねばという危機感はあるみたいなんです。
綿谷エリナ:
たしかに・・・
シェリー:
だけど、オリンピックってスポーツだけじゃないじゃないですか。世界の平和の祭典ということで、大切に思わないのか、聞いてみました。まずは日本からの留学生のヒカル。
ヒカル It’s definitely not a purpose of world peace and whatever. I guess it used be like that maybe I don’t know, I feel too much of the business aspects from it.
シェリー:スポーツと平和の祭典みたいな感じ全然しない。かつてはそうだったのかもしれないけれど、今はもうビジネスって感じ。
ヒカル:金が絡むからみんなやめたくないんですよ。
シャンシャン:I also feel like it’s more political.
シェリー:それにもっと政治的になっていると思う。
ミクア:For me watching sports on the TV versus like going to the actual games stuff like that, I mean I feel like most people would say like it’s more exciting so.
シェリー:スポーツをテレビで見るのって全然面白くない。実際に見にいった方が全然いいと思う。
ケンジュ:It’s the same for me, to be honest.
シェリー:僕もそれに同感。
ケンジュ:Also I think most Americans just interested in their own sports like NFL or NBA.
シェリー:それにほとんどのアメリカ人は自分とこのスポーツ、NFLフットボールとかNBAバスケにしか興味ない。だけどアメリカ人ってものすごくたくさんメダルとるじゃない?エキサイティングじゃないの?
ケンジュ:Yeah but they like who winning medals of them like some random sports.
シェリー:メダルいっぱい取っても、それは「その他」のスポーツだってケンジュはいうんですよ。でもそれでも国の誇りとか思わないの?
ケンジュ:No really, if we beat a country in soccer, then I’ll feel national pride.
シェリー:全然思わないけど、もしサッカーで他の国に勝てたら国の誇りだと思う。でもさ、これじゃオリンピックの未来ってどうなっちゃうんだろう?
メアリー:e-sports.
シェリー:eスポーツ!
メアリー:Probably.
ケンジュ:Virtual reality.
シェリー:オリンピックはみんなEスポーツやバーチャルリアリティになっちゃうの?
メアリー:かもしれない。
シェリー:もうオリンピックなくても全然OK?
ケンジュ:Yeah. World cupがあるから
シェリー:ワールドカップがあればいいんだ。
ヒカル:サッカーとかだったらワールドカップ、テニスだったら4大大会とか、そういうのがありますけど、他のスポーツは目指すところがそこじゃないですか、オリンピック。なんだかんだ言って残ると思いますよ。
綿谷エリナ:
まあ自分の好きなスポーツ以外はそこまで興味がない、、、ということなのかしら…?
シェリー:
ないんですよ。そうなんです。本当にね、興味がないスポーツは見ないし、またはテレビで見ても面白くない。またスポーツをやるのは好きだけど見るのは興味ないという人も結構いる
綿谷エリナ:
逆もありそうですけどね。へ~~~。
シェリー:
いま話聞いてて思ったんだけど、やっぱりこのZ世代というのは、自分が興味ないものには全く関心を示さないんですよ。
そのいい例がJOMO 【Joy of Missing Out】という言葉。流行りとか周りがやっている事に取り残される事に、むしろ喜びを感じるという意味。
その前の世代が、FOMO【Fear of Missing Out】「置いていかれる事への恐れ」という言葉を生んだ1世代前のミレニアル世代に比べ、自分の時間を本当に好きな事に使いたいと思っているんです。
綿谷エリナ:
私ミレニアル世代なので、まさしく"Fear of Missing Out"の世代なんですよね。
シェリー:
ですよね!それが、もうみんなソーシャルメディアに慣れたので、やらない!と言う人も結構いるんですよ。
綿谷エリナ:
もしかしたら、私たちの世代だと、流行にとりあえず乗っかっておきながら、その上で「自分はこう思う」と言うのがcoolだったと思うんですよ。だからJOMOの場合、いろんな選択肢がありすぎて、全部手あたり次第試している時間がないのでは?ということではと・・・
シェリー:
本当にその通りです!もうね、自分の時間は好きなことだけに使いたいと思っていると思いますよ。
綿谷エリナ:
選択するのが上手になった、ということかもしれませんね。
シェリー:
あとはまあ慣れた、っていうこともあると思います。でもこんな彼らが成長した時、オリンピックはどうなっているのか?気になりますよね。E-Sportsになっていっちゃうのか…
綿谷エリナ:
どうなんでしょうね…!まあ形は変わっていくかも知れませんが…今後も気になりますよね。
来週も楽しみにしています。
シェリーさん、今週もありがとうございました!
シェリー:
ありがとうございました!
綿谷エリナ:
そしてNY Future Lab、JFNアプリAuDee そしてSpotifyでもぜひチェックしてみてくださいね。次回もお楽しみに。