Z世代は人種問題を解決する最初の世代? 6/16 NY Future Lab

 

これからの時代の主役となる「Z世代(10代~22歳)」と「ミレニアル世代(23歳~38歳)」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どうした性質や特徴があるのか、さらにグローバルビジネスや海外進出企業も知りたいこれからの消費動向について、ミレニアル・Z世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していく。



☆シェリーさんのPresident記事はこちらから!

本記事の音声はこちらからお聴き頂けます!

今回は”ジューンティーンス”と人種問題について


<本記事を要約すると…>
●NY州で、一度でもコロナワクチンを接種した成人が7割に達した。アメリカ全体での1日の感染者は1万人くらい。

●6月19日"Juneteenth"が、NY州の祝日となり、さらに全米の祝日として上院で可決した。

●アメリカのZ世代の意識の中に、「自分たちの世代から人種差別を解決するんだ」という意気込みというか自覚がはっきりとある。



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綿谷エリナ:綿谷エリナのOn The Planet 。この時間は「NY Future Labミレニアル・Z世代研究所」です。


ヒカル:Hi I’m Hikaru,

シャンシャン:Hi. I’m Shan Shan.

ミクア:Hi I’m Mikua.

ケンジュ:Hi I’m Kenju .

メアリー:Hi I’m Mary and welcome to NY Future Lab 2021.



綿谷エリナ:
今夜もニューヨーク在住のジャーナリストでミレニアル世代とZ世代評論家・シェリーめぐみさんと電話が繋がっています。シェリーさん!

シェリー:
エリーさん! こんばんは~!

綿谷エリナ:
こんばんは!

シェリー:
今日はNYからちょっぴり嬉しいお知らせがあるんですよ。

綿谷エリナ:
なんでしょう?

シェリー:
NYがアメリカで14番目の州として、一度でもコロナワクチンを接種した成人が、7割に達しました。

綿谷エリナ:
お~!すごい!

シェリー:
これ、かなり良いところまで来た、と。それと同時に、ほとんどの場所での収容制限やマスク着用義務、ソーシャルディスタンスも解除で、ここにきて完全にRe-Openなんですよ。14か月ぶり。

綿谷エリナ:
おおお~。ちなみにまだ数字は出ていないかもしれないですけど、感染者数の方は落ち着いている様子ですか?

シェリー:
かなり下がってきています。NYもアメリカ全体も下がってきています。
アメリカ全体での1日の感染者は1万人くらい。一時は20万とか30万とかだったので(それと比べると良い)。
そんな感じで、死者も100人くらいまで下がっていますよ。
だから、この夏の間は大丈夫なんじゃないかと。ちょっと変異種で秋以降はどうなんだろう、という話もありますけど、この夏は何とか行けそうな気がしてきました。

綿谷エリナ:
そうですね。油断はできないけど、ちょっとハッピーなニュースは嬉しいですね。

シェリー:
でしょ?でしょ?うんうん。

綿谷エリナ:
きっとLabのみんなも、それを聞いて考えもまた変わっていきそうな気もしますけど。

シェリー:
本当にそうだと思います。

綿谷エリナ:
さてNYのミレニアル世代・Z世代が本音で座談会するNY Future Lab、今日はどんな話題なんですか?

シェリー:
今日は久々に人種差別問題のお話です。なぜなぜ今このタイミングでやるかというと、先月のジョージ・フロイド殺害から1年のタイミングでやらなかったんですよね。

綿谷エリナ:
そうですね。

シェリー:
それとね、実はBlack Lives Matter運動の1つの成果として、これまでほとんどのアメリカ人が知らなかった歴史、新たな記念日が広く認知されることになったんです。それが、今度の土曜日6月19日、"Juneteenth"。これ、"June" "nineteenth"が合わさった言葉です。

綿谷エリナ:
ああ、だから"Juneteenth"っていうんですね。私自身も知らなかったです。

シェリー:
うん。で、この記念日がどんな日かと言うと、リンカーンによる奴隷解放は1862年だったんだけど、実際に南部の奴隷が解放されたのは2年半も経った後の1865年の6月19日だったという重要な歴史が、学校でも教えられないわけですよ。それが、BLMで知られるようになったんです。NY州でも今年からこの日が正式な休日になったんです。

綿谷エリナ:
あ、NY州としても!?それは大きな出来事ですね。

シェリー:
でね、もっと大きな出来事はね、国としても、昨日連邦議会上院で、この"Juneteenth"を国民の祝日とする法案が全員一致で通過しました。

綿谷エリナ:
へー!

シェリー:
ということは下院にいって、これも通過するでしょう。あとはバイデン大統領が署名すれば、正式にホリデイになるということです。

綿谷エリナ:
へー。これは大きな出来事ですし、きっとLabのみんなにとっても大きな出来事だったんじゃないですか?

シェリー:
そうですね。こういうこともあったんだけど、LabのZ世代から見てこの1年で人種を巡り何がどう変わったと思うか聞いて見ました。まずメアリーから。


メアリー:I think that people have definitely become more vigilant at least. People are more vocal about how they feel about injustices.

シェリー:身の回りで起こっていることに今までより敏感になって、正しくないことに異を唱える発言をするようになった。

メアリー:But I also feel like compared to last year, nobody is bringing as much attention to it. But I’m not sure if that’s just because everyone has understood like people know that already or if people just giving up on me.

シェリー:でも去年に比べるとその動きが随分少なくなっていると思う。その理由がみんながもう十分問題を認識したからなのか、それとも諦めてしまったからなのかわからない。

ヒカル:George Floyd case really got this big only because it was happening during Covid. And as society goes back to normal a lot of people are more busy they don’t really have a capability of paying attention to those of the societal problems.

シェリー:Black Lives Matterがあそこまで大きくなったのはコロナ禍だったから。皆が今忙しくなって社会的な問題を考える時間がなくなっているんだと思う。

ミクア:Because it’s systematic, social media does make a difference getting educating people and getting people to know about the situations. But actually changing the things in the systems, and something needs to be done.

シェリー:これは構造的な人種差別の問題、だからみんながソーシャルメディアでシェアするのは、知識を共有するという意味では素晴らしいけれど、行動して力がある人を動かさないとダメだと思う。 

ケンジュ:I agree with that. The only things that really changed are more people are aware now. But physical change that probably hasn’t been much cause the same things are still happening.

シェリー:僕も同感で、たくさんの人が現実を知るようになったけれど、実態はほとんど変わってはいない。なぜなら同じ暴力が繰り返し起きているから。



綿谷エリナ:
残念ながらね・・・

シェリー:
うん。残念ながら、この1年で同じような警察の暴力が起きているんですよ。覚えていられないくらい結構な数。だから、こういう記念日を作っただけじゃダメなんだと、そういうことなんです。
ただ、希望がないのか?というと必ずしもそういう訳でもなく、彼らの世代、"Z世代として"これから何ができると考えているのか。その辺を聞いてみます。



ヒカル: think the change is happening from now from here. I don’t think we are going to be a type of people “oh you are White or Black or Asian or whatever” but rather we are like human beings “I remember you from my class” you know.

シェリー:今この世代から変化が始まっていると思う。例えば大学で誰かに会って「あっ君は白人だね、黒人だね、アジア人だね」というのではなく「同じクラスの誰々だね」という見方ができるようになるのが僕たちの世代だと思う。

ヒカル:我々の世代の方が国際化とかも進んだり、インターネットの発展とかもあって、海外、というか他の人種との関り合いも増えたし、凝り固まった固定概念みたいなものは払拭できるのは我々の世代だと思っているので。

ミクア:People say racism is something you are born with, I think it’s something you are taught at from your young age or from something. You are taught to be like that. Teaching your children to think certain way that also makes a big big difference.

シェリー:差別意識はもって生まれたものだという人もいるけれど、私は小さい頃にそう教えられることで差別的になるのだと思う。だから子供達にちゃんと教育することもとても大事だと思う。

ケンジュ:The voting turnout was the lot of young people there was also younger politicians are catching more steam. But I do think that our changes that’s not fast as we think but we are heading in the right direction

シェリー:今多くの若者が投票するようになり、若い政治家も増えている。思ったより時間がかかると思うけれど、正しい方向に進んでいると思う。

シャンシャン:Right now our generation is starting generation where we all raise more awareness bring something change. Maybe our next generation our future children our future grand generation will be the ones to really make the try again help to solve the situation.

シェリー:私たちはスターティング・ジェネレーションでとにかく意識をあげて行くことが大事。その結果、子供や孫の世代が本当の変化をもたらしてくれると思う。



綿谷エリナ:
すごい、みんな言葉がバーっと出てくるから、思うことがたくさんあるんでしょうね。

シェリー:
そうなんですよね。その中でもね、「自分たちの世代から人種差別を解決するんだ」という意気込みというか自覚がはっきりとあるんですよ。
もちろん400年もの差別の歴史があるわけだから、そこから生まれた差別を解決するのはそう簡単ではないし時間がかかるけれど、正しい方向には進んでいると考えているんです。

特に今全米の潮流になっているのが、まずは奴隷と黒人差別の歴史を学校できちんと教えようという動きが強まっています。ところが共和党がそれに反対し、州によっては禁止する法律を通そうとしていたり、アメリカの人種問題はまだまだ紆余曲折があると思います。またお伝えします。

綿谷エリナ:
また色んな動きがあると思うんですけど、レポを楽しみにしていますね。シェリーさん、今週もありがとうございました!

シェリー:
ありがとうございました!

綿谷エリナ:
そしてNY Future Lab、JFNアプリAuDee そしてSpotifyでもぜひチェックしてみてくださいね。次回もお楽しみに。

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