防災をより身近なものとしてとらえるために、
東京の各自治体の防災の取組みについてお伝えしています。
自治体ごとの防災対策は、それぞれの地域の特徴や注意すべき点などを踏まえて、
さまざまな独自の取り組みが行われています。
今回は大田区です。
どのような特徴のある区なのか、区の防災計画担当課長にお聞きしました。
大田区は、多摩川など水辺や自然に恵まれた地域もあり、
臨海部には、日本の空の玄関口である羽田空港や、
京浜工業地帯の一部として高度な技術を持つ町工場が集積する、日本を代表するモノづくりの街があります。
さらに、区の中心部には繁華街の蒲田や大森、
区西部や北部には日本屈指の高級住宅街として知られる田園調布、千束、山王があり、
他にも数々の文化財・名所旧跡などを有する、多彩な魅力にあふれたまちが大田区です。
その一方で、災害のリスクが多岐にわたるのも、大田区の特徴と言えます。
大地震を想定すると、羽田や六郷といった地区には木造住宅が密集しているエリアがあって、
建物の倒壊や火災などの危険度が高くなっていますし、臨海部では津波や液状化の恐れもあります。
一方、近年大型化している台風などを考えると、
多摩川の氾濫や高潮があった場合、大田区の広い範囲が浸水すると想定されます。
そして、区の南部の平地になっているところと北部の台地になっているところとの境目は、
「がけ地」が多く土砂災害警戒区域が点在しています。
つまり大田区は、どこに住んでいるかで、どのような災害に警戒すべきかが違ってきます。
自分のいる場所は何が危ないのかを知ることが、私たちの防災の第一歩となります。
そして、大田区では、どのような災害対策を行っているのでしょうか。
大田区では「避難対策」「情報伝達」「要配慮者対策」「治水対策」の4項目に整理し取り組んでいます。
「避難対策」では、水害時における緊急避難場所を区内89か所に増設するとともに、
避難所の感染症対策のための必要な資材を備蓄し、運営マニュアルの見直しを進めました。
「情報伝達」では、(2021年7月から運用開始した)『大田区総合防災情報システム』を活用し、
区民や来訪者への情報提供を迅速かつ的確に行っていきます。
「要配慮者対策」については、福祉避難所の開設基準の見直しや、
水害時緊急避難所での要配慮者スペースの確保、段ボールベッドの配備等を行っています。
「治水対策」では、水防活動拠点の整備や水防資機材の拡充を着実に進めています。
自治体では、公助のレベルで取り組むべきことを、しっかりと進めていますので、
私たちは、自分や家族を守るために、自分でできることをやっておきましょう。
まずは、区が発行するパンフレット「
わが家の防災チェックブック」で防災対策について確認します。
そして、自分が住んでいる所の危険度や避難先を知るためにハザードマップをチェックしましょう。
大田区では、
風水害、
土砂災害、
震災と3種類のハザードマップを作っています。
防災チェックブックやハザードマップは、2020年に全戸配布されましたが、
区のホームページでも見ることができます。
そして、いざ災害が起きた時の情報入手も重要です。
防災行政無線の放送内容や、気象情報、地震情報などを配信する
区のメールサービスに登録しておくと安心です。
また、
区の公式ツイッターアカウントもチェックしておきましょう。
大田区の
防災ポータルサイトと
防災アプリも、2021年7月から運用が始まっていますので、
災害時の避難行動などにぜひ活用してください。
≪関連リンク≫
・大田区 防災・防犯HP
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/chiiki/bousai/index.html