防災をより身近なものとしてとらえるために、東京の各自治体の防災の取組みについてお伝えしています。
自治体ごとの防災対策は、それぞれの地域の特徴や注意すべき点などを踏まえて、
さまざまな独自の取り組みが行われています。
今回は杉並区です。
防災上留意しているポイントと取組みについて、防災課長に伺いました。
杉並区は、閑静な住宅街が広がっています。
区の西部は区画整理が進んで道路も広くなっている一方で、
東側については、道路が狭い部分もあって、木造密集地域も一部あります。
区では、地震被害シミュレーションというものを実施していて、被害予測に応じた対策を行っています。
過去大きな(地震)災害の時は、火災の(原因の)約6割が電気関係ということがありました。
(そのため)区では
感震ブレーカー設置支援事業というものを行っています。
(感震ブレーカーとは)ご家庭にあるブレーカーのところに装置を取り付けると、
震度5強以上の地震があった場合、自動的にブレーカーを落とすというものです。
器具の購入費は区が全額を負担していて、設置費用2,000円を区民の方に負担していただくだけで取り付けられます。
65歳以上のみの世帯や身体障がい者手帳などをお持ちの方は、設置費用も区が負担するので実質無料です。
まだ付いていないご家庭は、ぜひ区の方へお問い合わせください。
感震ブレーカーの設置は、自宅だけでなく地域を火災から守ることに繋がります。
設置費用2,000円の負担のみで良いという杉並区の助成はかなり手厚い内容と言えます。
ところで杉並区は、震災時に開設する避難所について独自の考え方をもっています。
他の自治体と違って発災時に避難するところを「避難所」とは呼ばずに「震災救援所」といっています。
被災したことで行き場がなくなった方が一時的に生活する場、ということから「震災救援所」と呼んでいて、
大火災の恐れがないとか、家が倒壊したということがなければ、基本的には在宅での避難をお願いしています。
在宅で生活をするためには、最低3日以上、1週間程度の食料や水、生活用品、
特にトイレの収便袋などは重要になってくると思いますが、これらを各ご家庭で備蓄していただければと思います。
避難所に多くの人が集まることで、新型コロナウイルスなどの感染症のリスクも高まることになります。
在宅避難をサポートするために、区では
防災用品のあっせんもしていますのでチェックしてみてください。
また、備蓄とあわせて、日ごろの備えで大事になってくるのがこちらです。
区では例年11月に「総合震災訓練」というかたちで大きめの関係機関による震災訓練を行っています。
また、9月~12月を中心に地域の小学校・中学校でも震災救援所の避難訓練を実施していますので、
ぜひ足を運んでいただければと思います。
そして、災害時には、信頼できる情報をタイムリーに受け取ることが重要です。
区の
メール配信サービスに登録したり、
区の公式ツイッターアカウントをフォローしたりして、
いざというときの情報収集に備えてください。
また杉並区では、スマホ用の
防災地図アプリ「すぎナビ」を無料配信しています。
安全な避難経路を探したり、区からの情報を受け取ったりできるだけでなく、
ユーザー同士、被害状況を投稿して共有することもできる便利なアプリですので、ぜひダウンロードしておいてください。
≪関連リンク≫
・杉並区 安全・安心情報HP
https://www.city.suginami.tokyo.jp/anzen/index.html