今回は、東京の下町、荒川区町屋で東京の伝統工芸である
「東京額縁」の製造を行う「株式会社 富士製額」の
栗原大地さんにリモートでお話を伺います。
高橋:栗原さん、はじめまして。よろしくお願いいたします。
栗原:額縁職人の栗原です。よろしくお願いいたします!
高橋:栗原さんが勤めている株式会社 富士製額は、額縁を作る専門の会社なんですね
栗原:弊社は、基本的に美術館に飾っているような額縁、画廊さんに置いてあるような額縁を
オーダーメイドで作っている会社になります。
西:本格的な額縁ですよね。
高橋:栗原さんが作った額縁の写真がこちらにあるんですけど、
額縁の概念がいい意味で崩してくれるというか。
西:色んなアプローチからね!すごーい!
高橋:これ額縁なの!?っていうものも沢山ありますね
栗原:伝統工芸って時代に合わせて変化するものだと思うので、ライフスタイルとか
今、若い方に物を持たない美学もあるので、どうしたらその人たちに魅力を伝えられるかなと、
考えた結果、そういう風な製品づくりに進んでいます。
西:愛ちゃん気になった商品ありますか?
高橋:「えっ?!」って思ったのが、これ名刺ケースですか?
これも額縁なんですね?
栗原:額縁の作るからこそ、どういう図でどういうことが出来るかってわかったので、
そこからデザインすることを始めて、名刺を魅せるをコンセプトで作った
額縁ならではの名刺入れですね。
高橋:めちゃくちゃスタイリッシュで超かっこいいと思ったんですけど、
あと、これはコーヒードリップ?
栗原:それはコーヒーをドリップするものを額縁のように立体的に起こしたもの。
コーヒーを淹れる瞬間を切り取るっていう、特別な時間を額縁でかたどって、
概念として売るっていうのを知り合いのデザイナーさんと一緒に作ったものです。
西:立体額縁ですよね。4方向から見られる立体額縁。
栗原:気軽に飾って欲しい、インテリアになって生活の一部になって欲しく、
立体物を飾ればお花を飾ったり色々出来るので
西:何気ないものも額縁を通して見ると、アートに見えるっていう瞬間は沢山ありますよね。
高橋:固定概念が良い意味で覆される。
今まで一番てこずったというか、大変だった額縁ってありますか?
栗原:額縁を持ってこられて、同じものを作ってくれって言われた時は、
全く同じものは難しいんですけど、それに似せるものを作りますし、
例えばそれが50年前の額縁だとして同じ材料が無かったり、変化してる中、
どういう風に魅せるかっていうのが大変なんですけど、それが楽しい仕事ですね
高橋:栗原さんみたいに1人前の職人になるにはどのくらいかかるもんなんですかね?
栗原:僕、13年目ですけど、それでもまだまだだと思うし。
お客さんが求めているものにバチンとハマるものを作れた時は1人前になったなと思うんですけど、
次の仕事をやって「違う」ってなったら、「まだまだだな」って思って、
その時その時に1人前になったりならなかったりという感じなので、これと言った年月が無いんですけど、
個人個人自信になる部分があれば、その時は1人前って認めていいかもしれないですけど。
高橋:じゃあ、常に進化しているってことですね!
栗原:かっこよく言うとそうですね(笑)
西:栗原さんは会社に入られてから職人さんを目指したのか、
入る前から職人さんを目指していたのかどっちなんでしょう。
栗原:僕は元々美術館に行くのが好きで、絵は描けるタイプじゃないんですよ。
でも、大学でデザインの勉強していて、大学卒業するときに、棟内で額縁作っているのあるよと
紹介してもらって、行ったら「すごい面白そうだな」って惹かれて就職した
西:では、就職して覚えられた?
栗原:そうです!もちろん
高橋:すごいー!
栗原:それまでこんな事知らなかったですよ(笑)
高橋:もうスピードだったんですね
西:でも、元々美術館で絵を見てたというベースがあって、作品の一部に参加できるっていう面白さがあるわけですよね?
栗原:何百年とか何千年前とかの物が目の前にあるっていうのを額縁を通して感じるのが好きなんですよね。
歴史を感じるというか。その魅力にはハマっていましたね。
西:作品だけでなく額縁もご覧になっていたわけですね
高橋:では、見つけたときは「これだ!」ってなりましたか?
栗原:なりましたね(笑)
西:スタジオに栗原さんが作られた額縁が1つあるので、見ているのですが、素晴らしいですね
高橋:素晴らしいです
西:手のひらより大ぐらいの大きさ。
エージングって言うんですかね。経年変化的なデザインもあって、
多分この中に何でもないポストカードを入れても、アートになる。
高橋:150円のポストカードも高級になりますよね(笑)
西:めちゃくちゃ高級になりますよね。
何なら、年賀状でもアートに。
高橋:私の絵でも大丈夫かもしれない
西:全然いける。
引き立てる力って額縁、改めてすごいですね。
高橋:考え方を改めないといけないですね
さて、最後に栗原さんのこれからの夢を教えてください。
栗原:会社の継続が1番なんですけど、伝統工芸品の一端を担っている東京額縁を多くの方に知って頂くことが
1番大切だと思ってます。伝統工芸品という、本来時代と合わせて変化していくものを、
これからどうやって作っていくか、額縁というテーマもありながら、それを作っていくかと多くの方に
わくわくして欲しいなと。それを通じて額縁って良いなって思える製品づくりをしていきたいと思っています。
西:伝統工芸品ですけど、アプローチによってはそれが新しいものに見えるという曲面は絶対あると思うんですよね
高橋:新しく見えます。
西:新しく見えますもんね。まだまだポテンシャルいっぱいあると思います。
高橋:素晴らしい。楽しみにしています
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今回は、栗原さんが作ったキャビネ版の「額縁」を【1名】にプレゼントいたします。
ご希望の方は「日本カワイイ計画。withみんなの経済新聞」サイトのトップページにある「番組にメール」から、
1:おなまえ 2:住所 3:連絡先
そして「額縁」と書いて送信してください。
※締め切りは8月29日 日曜日 到着分まで。
当選者の発表はプレゼントの発送を持ってかえさせていただきます。