これからの時代の主役となる「Z世代(10代~22歳)」と「ミレニアル世代(23歳~38歳)」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どうした性質や特徴があるのか、さらにグローバルビジネスや海外進出企業も知りたいこれからの消費動向について、ミレニアル・Z世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していく。
☆シェリーさんのPresident記事はこちらから!
今回は新学期を前にアメリカZ世代のニューノーマルは?について
<本記事を要約すると…>
●感染とワクチンとの関連を裏付ける数字がCDCから発表された。それによると、ワクチンを接種していない人は、した人に比べて感染・入院する確率が29倍、感染する確率も5倍とのこと。
●いまアメリカでは「ワクチンを接種した人はマスクをしなくても良い」ということになっているが、これも変わってくるかもしれない。
●NYでは学校や公共施設、レストランなどでワクチン接種証明の提示が義務化されているが、これが市民からは評価されていない。「ワクチンのみに特化していて、検査の陰性証明は含めず、マスクの義務付けもしないのは非科学的」という声や、「コロナにかかって自然免疫を得た人、宗教的な理由で接種が受けられない人を例外にしていないのはおかしい」という意見も。
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綿谷エリナ:綿谷エリナのOn The Planet 。この時間は「NY Future Labミレニアル・Z世代研究所」です。
ヒカル:Hello I’m Hikaru.
メアリー:Hi I’m Mary
ケンジュ:And this is Kenju and welcome to NY Future Lab 2021.
綿谷エリナ:
今夜もニューヨーク在住のジャーナリストでミレニアル世代とZ世代評論家・シェリーめぐみさんと電話が繋がっています。シェリーさん!
シェリー:
エリーさん! こんばんは~!
綿谷エリナ:
こんばんは!
シェリー:
今夜も宜しくお願いします。
アメリカは新規感染者一日15万人台で、高い水準でじりじりと増加を続けているのですが。その中心はワクチン接種率の低い南部が中心で、いま医療崩壊も聞かれるような状況なんです。
そんな中、感染とワクチンとの関連を裏付ける数字がCDCから発表されました。それによると、ワクチンを接種していない人は、した人に比べて感染・入院する確率が29倍、感染する確率も5倍とのことです。
綿谷エリナ:
結構大きい数字ですよね。
シェリー:
大きい違いですね。これはロサンゼルス市の4万人のデータを基に算出した数字とのことですが、デルタ株の広がりでワクチン大丈夫なのか?という不安が広がっている中で、これを聞くと「やっぱりワクチンは打っておいた方が良い」ということになるのですが、ワクチンを打っていてもやっぱり感染するわけで、マスクは必要であるということになってきます。
いまアメリカでは「ワクチンを接種した人はマスクをしなくても良い」ということになっているのですが、これも変わってくるかもしれません。
それでもデータがあるということはいいことだと思いました。
綿谷エリナ:
そうですね。「せめてワクチンは打っておいた方がマシだよ」ということは示すデータですよね。
シェリー:
そうですね。29倍は大きいですよね。
綿谷エリナ:
それでも不安になるデータでもあるなと思います。ワクチンだけでも防ぎきれない中でこれから学校とか始まるわけじゃないですか。だからラボのメンバーとかどんな心境なのかな?っておもって・・・。
シェリー:
ほんとに不都合な現実ですよね。
っていう中で9月って、アメリカはBack to Schoolシーズン、いわゆる新学年。
普段なら新しい服やバッグを買い揃えたり、楽しいシーズンのはずなのですが、今年はやはりそうはいかないようです。
ニューヨークの公立大学はこの秋からパンデミック以降初めての対面授業がスタートします。初めて。これまでずっとリモートでした。
ニューヨーク州は比較的感染が少ない方なんですが、やっぱりデルタ株の影響で増えてはいます。全米の大学のうち65%で対面授業が始まると伝えられています。
この「ニューノーマル」の中、Z世代はどう感じているのでしょう?
9月から大学院に通うメアリーに聞いてみました。
メアリー:I think it’s gonna be super weird. Like we’re gonna have masks on. But I have this weird feeling that in the middle of the semester, we are just gonna close again because of Delta virus.
シェリー:新学期はすごく変な感じだと思う。クラスでも皆マスクをしているし、それに学期の途中にまたデルタ株で閉鎖になるのではないかと思う。
ヒカル:Yeah I feel the same.
シェリー:ヒカルも同じように感じる。
ヒカル:今年の夏って世界中旅行者が増えて、それもコロナが完全に終わったというわけではない。今回この人の流れで夏が終わって人がそれぞれの国に戻って、何が起こるかって、もしかしたらどこかに行っていた時にもらってきたウイルスが拡散して、みたいな。しかもニューヨーク大都会だから人も多いし。デルタだけでなくまた今度南米のどこかからも新しい種類が出たみたいな。
シェリー:ラムダ株ね。
ヒカル:まずコロナが消えるということがなかなか。ワクチンもデルタにはあまり効果がないという話だし。
シェリー:ブレイクスルー感染も増えてるものね。
ケンジュ:I also agree that I think there’s gonna be another lockdown. If not it wouldn’t make sense to delta variant is only gonna spread more.
シェリー:ケンジュは、来年の春にかけてまたロックダウンがあると思う。デルタがこれだけ広がっているんだから、そうでなかったらおかしいと思う。
綿谷エリナ:
うーん。。。。
シェリー:
もう聞いてて切ないですよね。不安がいっぱいで。
綿谷エリナ:
はい。
シェリー:
こういう状況のなか、ニューヨークの公立をはじめ主な大学は対面授業に参加する生徒にワクチン接種を義務付け。つまりワクチンを打っていないと講義が受けられないようになりました。
そしてニューヨークは9月からブロードウェーなどのエンタメやメトロポリタンオペラなどもオープン。そのほとんどが観客へのワクチン接種の義務化を決めています。
またニューヨークのデブラシオ市長は、市内のレストランやスポーツジムなどの商業誌施設に対し、1足早くワクチン接種が義務付けました。
これについてはどう思っているのか。ケンジュから聞いてみました。
ケンジュ:I don’t know how I feel about it.
シェリー:それについてどう感じていいかわからない。なんで?
ケンジュ:On one side, yes it’s for our safety.But at another point, it’s like I kind feel like it’s wrong that government say instead of business say.
シェリー:人々の安全のためなのはわかるけれど、そしてそれをお店とかが決めるのはいいけれど、政府がそれを押し付けるのは間違っていると思う。
メアリー:If they didn’t push it though, I feel like nobody would really do it. Like even now so many vaccines that they are leftovers just sitting in the pharmacIe.
シェリー:でも政府がやらないと皆ワクチン打たないでしょう?それで薬局とかでワクチンが余ってしまっている。
ケンジュ:That’s why it’s difficult. Because one side is like it’s for your safety, but the other side it’s kind of like we are giving up the rights.
シェリー:だから難しい、安全のためなのはわかるけれど、それで私たちは政府に権利を渡してしまっている。
ヒカル:もちろんそれは「俺の人権、俺の自由だからワクチン打たない」というのはわかるんですけれど、人一人では生きていけないので、社会の中でというのは多少尊重しないといけないので、ワクチン打ったほうがいいとは思います。
ケンジュ:Even now people do take the vaccines, there will always be more variants. Every year we need a different full shot because there are different variants every year.
シェリー:それに今ワクチン打ってもまた新しい変異種が出てくるでしょう?そうすると毎年打たなければならないのでは?
メアリー:It’s unfortunate that we got to this part right? It was like at one point, It wasn’t going to become like the flu, But now it’s just gonna staying forever.
シェリー:ある時点ではそうならないようにできたんじゃないの?今はもう遅いけど。
ケンジュ:Either way its’s gonna stay, to be honest.
シェリー:いずれにしろコロナはなくならないと思う。
綿谷エリナ:
難しい問題ですよね。
シェリー:
ちょっと重い話になっちゃいましたけど、仕方ないですよね。飲食店などへ客に対するワクチン義務づけはどうも人気がないようで、もし義務付けになったら8割がレストランに行かないという数字もあります。
綿谷エリナ:
それは反対の意を示すために行かないということですか?
シェリー:
それもあるし、あとは面倒で、そこまでして行く気がしないというのとか…
綿谷エリナ:
あ、そうなんですね。
シェリー:
一方レストランのグループが集団でデブラシオ市長に対し訴訟を起こしています。
その理由は、ワクチンのみに特化していて、検査の陰性証明は含めず、
マスクの義務付けもしないのは非科学的。
またコロナにかかって自然免疫を得た人や、宗教的な理由で接種が受けられない人を例外にしていないのはおかしいという言い分。アメリカはこれ大きいんです。
綿谷エリナ:
そっか、「ワクチンだけ」になっちゃうからね。
シェリー:
それも含めてあんまり評判がよくない、ということだと思うんです。
この訴訟がどうなるかは分かりませんが、まだレストランでワクチン証明見せろと言われたという話は聞いたことがないんです。
綿谷エリナ:
あ、そうなんですか!
シェリー:
おそらく罰則が適用される9月13日までは様子見ではないかとおもいます。
綿谷エリナ:
じゃあ今は「行こうと思えば行ける」と言う状況なんですね。
シェリー:
全部のレストランがどうかはわかりませんが、私が行った・聞いたレストランではそういう状況でした。
綿谷エリナ:
そうなんですね。
シェリー:
ほんとに悩ましい状況なんですが、新学期を前に。まとまらないですね。
綿谷エリナ:
本当ですよね。でもきっと次のフェーズに来ているということだと思うので、きっと新たなアップデートもあるとおもうので、そういう話も含めて是非また教えて下さい!シェリーさん、今週もありがとうございました!!!
シェリー:
ありがとうございました!
綿谷エリナ:
そしてNY Future Lab、JFNアプリAuDee そしてSpotifyでもぜひチェックしてみてくださいね。次回もお楽しみに。