防災をより身近なものとしてとらえるために、東京の各自治体の防災の取組みについてお伝えしています。
自治体ごとの防災対策は、それぞれの地域の特徴や注意すべき点などを踏まえて、
さまざまな独自の取り組みが行われています。
今回は板橋区です。
区の特徴について、まず防災危機管理課長に聞きました。
板橋区は「東京で1番住みたくなるまち」を目指し、区民の皆様の安心安全のため様々な防災対策を行っています。
そうした取り組みにより区の人口も年々増加し、約57万人の区民の方の生活の拠点となっていますが、
65歳以上の高齢の方も増え全体の23%を超えており、災害時の避難行動に支援が必要な人も増えてきています。
また、板橋区は荒川や新河岸川といった一級河川をはじめ、中小河川である石神井川や白子川も区内を流れており、
ゲリラ豪雨や大型台風の直撃等による大規模水害にも備えなければなりません。
こうした特徴を踏まえた板橋区での取り組みについて、地域防災支援課長に話していただきました。
板橋区には荒川と新河岸川に挟まれた区内最大の浸水想定区域があり、
河川が氾濫した場合には相当数の被害がでることが想定されています。
そうした地域が自主的に避難場所や避難経路、避難手段をワーキンググループ形式で検討し、
地域の避難マニュアルを作成する取り組みを行っており、
板橋区は、その取り組みを支援するために、講師やアドバイザーの派遣、講習会、勉強会等を実施しています。
区民の自主的な取組みと、自治体の支援によって、地域の防災力アップを目指しているということです。
そして大事なのが、水害にしても地震にしても、
あらかじめ身の回りの危険度を把握したり、いざという時の行動を確認したり、といった日頃の備えです。
板橋区では「
防災ガイド・ハザードマップ」をリニューアルし、すべての世帯に配布しました。
生活情報を掲載した「いたばしくらしガイド」と両面開きの冊子になっていますので、
手元に置いて日ごろから活用してください。
また、スマートフォン用の「
防災マップアプリ」は、
インターネット接続できないときでも板橋防災マップを見られるほか、
避難所などの検索や、現在地からの進行方向が案内され、災害時にとても役に立つアプリです。
さらに、ハザードマップや防災ガイドも閲覧することができます。
この「防災マップアプリ」のダウンロードとあわせて、
板橋区の
防災メール配信サービスにも登録しておくと、災害などの情報がプッシュで届くので安心です。
また、
ツイッターの板橋区防災・防犯情報のアカウントもフォローしておきましょう。
板橋区では、令和2年度より板橋防災プラスプロジェクトを開始しました。
防災というと、退屈で解りにくく、どこか他人事のように感じられてしまうイメージがあるのではないかと思いますが、
この「防災」に、“楽しい”“おいしい”“協力”といった「なにか」をプラスして、
これまで防災に興味のなかった人や、防災とは一見無関係の企業や団体を巻き込んで実施するものです。
具体的には、区内企業の
湖池屋さんとコラボした5年保存できるポテトチップスをイベント参加者に配布したり、
区内のショッピングセンターに協力いただき、防災グッズコーナーを展開したりします。
また、わかりやすく防災に関する知識を幅広い層へ伝えるため、
YouTubeで“やってみた”動画の発信、
防災情報の収集手段であるスマートフォンなどの情報機器の操作が苦手な方向けの
「
スマホ教室」なども実施していますので、
ぜひ防災プラスプロジェクトに参加してみて、防災の取組みの第一歩を踏み出してもらえればと思います。
防災は、気負わず、出来ることから取り組むのが一番です。
まずはこの「
板橋防災プラスプロジェクト」を参考に、きょうから出来ることを始めましょう。
≪関連リンク≫
・板橋区 防災HP
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/bousai/bousai/index.html