声優界随一のサイクリスト・野島裕史が、自転車をテーマにお届けしている番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。11月11日(木)〜11月16日(火)の放送は、野島裕史のサイクルコラム「ひみつの第2エンジン」をお届けしました。
パーソナリティの野島裕史
野島:僕は、もともと体力はあるほうで、体調にもよるんですけど、すごく調子がいいときにいわゆる「ランナーズハイ」や「ゾーン」と呼ばれるモードに突入することが、まあまああるんです。
それを、僕が「ひみつの第2エンジン」と名付けました。このモードに入ると、本当に体力がいくらでも湧き出てくるような感覚になります。それに初めて気付いたのは、15、16歳ぐらいの頃ですね。当時、よくサッカーの練習を2~3時間していたのですが、いくら若くても30分以上走り続けていると、けっこう息が上がってきて「疲れたなぁ……」という状態になって、それでも頑張って走っていると、急にスッとスイッチが入って、体が軽くなるんですよね。
気分もテンションも上がってきて、呼吸も軽くなって、「いくらでも練習できるんじゃないかな」という気分になります。実際にパフォーマンスも上がりますし、集中力も上がって、そのまま2~3時間練習も走り込みも続けられます。
それが1回だけではなく、しょっちゅうあったので、いつも友達に「第2エンジン発動したよ!」って言ってました。そんなふうに自覚はしていたのですが、この現象がなんなのかはまったくわからないまま、当時は「便利な第2エンジンだなぁ」と思っていました。
その後も、持久系の競技のとき、この第2エンジンが発動すると成績が良くなる傾向があります。先日の
「キャラクターヒルクライム2021」のときも少し発動した気がしたんですけど、残念ながらゴールの2~3km手前あたりから感じたので、中盤より少し前から発動してくれればよかったんですけどね(笑)。
なので、これを発動するようコントロールできないかということで、いま通っている勝杏里くんのジムのトレーナーに相談したのですが、「いやいや、それはプロのトップアスリートですらコントロールするのは大変ですよ!」っていう話で、確かにそうだよなと。ゾーンに入るなんて、こんなド素人の僕がそうそう簡単にコントロールできるわけがないなって。相当な経験とメンタルトレーニングが必要だということがわかりました
つい先日まで、マラソンやロードバイクなど持久的な運動をされる方は、全員経験することなのかと勝手に思っていたのですが、当番組のプロデューサーは持久系のスポーツをたくさんしているので、当然共感してもらえるものと思って、この話をしてみたら、なんと経験がなく「最後までつらい」と(笑)。
これにはビックリしましたし、「共感してもらえると思ったのに……」とショックでした。でも、あまりスポーツをするイメージのなかったAD がいるのですが、彼女は学生時代にハンドボール部だったということで、当時、「ランナーズハイ的な経験がある」ということで共感できたんです。
ちなみに、このランナーズハイと言われる現象。確実にあるというのはわかっているものの、医学的には体や脳になにが起きているのか、どんな脳内物質の影響なのかはさまざまな研究によって明らかになりつつあるのですが、確定はまだされていないそうです。
次回11月18日(木)〜11月23日(火・祝)の「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」は、野島裕史のサイクルコラム「チリン、チリン! 自転車用ベルのお話」をお届けします。