防災をより身近なものとしてとらえるために、東京やその周辺の各自治体の防災の取組みについてお伝えしています。
自治体ごとの防災対策は、それぞれの地域の特徴や注意すべき点などを踏まえて、
さまざまな独自の取り組みが行われています。
今回は昭島市です。
地域の防災上の注意点について、市の防災担当者に伺いました。
昭島市は、南には多摩川、東には残堀川が流れ、豊かな水と緑に恵まれる一方、自然災害への警戒は欠かせません。
近年は必ずと言っていいほど、出水期(=川が増水しやすい時期)を迎えると、
全国各地で線状降水帯や台風による浸水や土砂災害など大きな被害が報告されています。
昭島市でも、令和元年東日本台風では多摩川河川敷などの公共施設に被害を受け、
市内に26箇所の避難所を開設し、計1,137名もの避難者を受け入れました。
また地震においても、今後30年以内に70%の確率で発生すると言われている首都直下型地震による市内の最大震度は、
立川断層帯地震で震度7が想定されています。
多摩川と残堀川という2つの一級河川が流れていることで、水害への備えや対策が重要になっている一方で、
立川断層という活断層が近いことから、大地震への警戒も欠かせません。
こうしたことを市民に理解してもらうため、昭島市ではこのように取り組んでいます。
多摩川の浸水想定や残堀川の浸水想定や土砂災害の危険個所、また公共の避難場所などを示した
「昭島市洪水・土砂災害ハザードマップ」を令和2年6月に市民の方へ全戸配布しました。
また、平成25年3月に全戸配布した
市民防災マニュアルの内容を全面改定し、
令和4年2月末ごろに「昭島市防災ガイドブック」として全戸配布する予定です。
この新しい防災ガイドブックには、
自宅の安全性の確認のポイント、備蓄品、避難場所といった事前の備えや、
災害発生時の行動について、また、国や都が発信している防災に関する情報も掲載されます。
こうしたハザードマップや防災ガイドブックは、
普段から見える所に置いておいて、ときどき内容を確認するようにしておくと、
いざというときに適切な行動をとることが出来るようになります。ぜひ実践してください。
市民の皆様には、まずは「自分たちの命は自分たちで守る」という“自助”を
しっかりとやっていただきたいと考えています。
大規模な災害に対し、市民の皆様の生命および財産を守るためには、行政の力だけでは限界があり、
市民の皆様一人ひとりが災害に備えていただくことが大変重要だと考えています。
例えば、お住いの家やブロック塀などは、普段から安全を確認していただいて、
経年劣化等で倒壊の心配のある方には市の助成制度があります。
家の耐震診断や
耐震改修、
ブロック塀の撤去などについての補助金がありますので、
詳しくはホームページでご確認ください。
さきほど紹介したハザードマップも、昭島市の
ホームページで見られますが、
手元にないという方は市役所の防災課でもらうことも出来ます。
そして、身のまわりの危険などを確認するといった備えのほかに、
災害時の情報収集についても準備をしておきましょう。
昭島市では、ホームページをはじめ、
登録制の
メール情報サービス、
ツイッターの公式アカウントで災害に関する情報を発信するほか、
防災行政無線の内容を確認できる
フリーダイヤルもあります。
また、市が協定を結んでいる「
Yahoo!防災速報」のアプリを
スマートフォンにダウンロードしておくと、随時、情報が届くので安心です。
自助の第一歩として、まずはこうした備えから始めましょう。
≪関連リンク≫
・
昭島市 防災・消防HP