防災をより身近なものとしてとらえるために、東京やその周辺の各自治体の防災の取組みについてお伝えしています。
自治体ごとの防災対策は、それぞれの地域の特徴や注意すべき点などを踏まえて、
さまざまな独自の取り組みが行われています。
今回は東大和市です。
地域の特徴について防災安全課長に話していただきました。
東大和市は、東京都心から西へ約35kmの1時間通勤圏にあり、北多摩の北部に位置しています。
市の北側には、標高が150mほどで東西に延びる狭山丘陵があるほか、
都民の水がめである村山貯水池、通称・多摩湖があるなど、豊かな自然が残っているまちです。
市の南側は、ほぼ平坦な武蔵野台地で住宅地として広がっています。
面積は約13.5キロ平方メートルのコンパクトなまちで、人口約8万5千人、約4万世帯が住んでします。
東大和市は、地震に対する危険度は都内の他の自治体に比べて低い水準で、
建物の耐震化率も90%を超えているとのことですが、風水害については、いくつかの警戒ポイントがあります。
市北部の狭山丘陵のところで30度以上の斜面がいくつかあり、土砂災害警戒区域等に指定されています。
台風や大雨の際には土砂災害の危険があり、特に注意を要する地域です。
令和元年10月の台風19号でも土砂で道路が埋まって通行できなくなる災害が発生しました。
また、市内の中央部を空堀川、奈良橋川、前川の3つの河川が西から東に向けて流れています。
川幅が狭いので、雨が降ってから水位が上がるまでの時間が他の大規模な河川に比べると短いです。
そのため市では全世帯に浸水・土砂災害ハザードマップを配布しました。
この
ハザードマップで、身の回りの危険をチェックしたり、
避難所の場所や自宅からのルートなどを事前に把握したりといったことがとても重要です。
そして、雨の降り始めから、川の水位が上がるまでの時間が短いという特徴がありますので、
市民が避難情報などを聴き逃すことが無いよう、市では複数の手段で情報を伝える体制を整えています。
防災行政無線と同じ内容を、同じ時間に、
電話の自動応答サービスや登録制の
メール配信サービス、
LINEの公式アカウントで発信します。
また、
ツイッターや
フェイスブック、地元ケーブルテレビのJ-COM、
エフエムたちかわでも
避難情報や災害情報などを伝えます。
このほか、市が協定を結んでいる
Yahoo!の「防災速報アプリ」もスマートフォンにインストールしておくと、
地域の災害情報などがプッシュ通知されるのでとても便利です。
そして、災害が起きた際の避難について、市ではこのように考えています。
避難所で避難生活を送るということもありますが、それよりも在宅避難というのが推奨されるようになってきています。
在宅避難の場合でも、必要な生活関連物資の配布や情報提供など必要な措置を講ずることとしています。
今後も行政として全力でサポートしていきますので、市民のみなさんとしては、ご自分のできる範囲で、
在宅避難ができるような水、食料、生活物資などの日常備蓄や耐震化に努めていただきたいですし、
自らの判断で避難行動をとれるよう問題意識を持っていただきたいと思っています。
避難所が混雑すると感染症のリスクも高まります。
自宅に留まるのが危険な場合は、安全な場所にある親戚や知人などのところへ行くことも視野に、
いざという時の避難行動をシミュレーションしておいてください。
≪関連リンク≫
・
東大和市 防災HP