2022.04.06 ~ ゲスト:田丸雅智さん①

第393回 今週からのゲストは、ショートショート作家の田丸雅智さん。

http://masatomotamaru.com
https://twitter.com/tamaru_m



田丸さんは、1987年愛媛県生まれ。
東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒業し
2011年に作家デビュー。
2012年には、ショートショートコンテストで『海酒』が最優秀を受賞し、
ピース又吉さんの主演で短編映画化され、カンヌ国際映画祭などで上映。
執筆活動に加え、ショートショート大賞や、
坊ちゃん文学賞で審査委員長を務め、全国各地でショートショートの
書き方講座を開催するなど、活躍されていらっしゃいます。

オフィスオーガスタ所属のスキマスイッチの楽曲『未来花』の
イベントでもコラボレーションもされています。


ショートショートコンテストで最優秀を受賞した『海酒』...
作品の舞台は、全国の海で作られたちょっと変わったお酒
”海酒”を出すバー。
主人公がふらりと立ち寄り、梅酒と間違って”海酒”を飲むところから始まります。

杏子「海のお酒...どう作ると思います?
   飲むとその海の風景、香りとか、電車の音とか
   が思い浮かぶんだよ、ね?!」

田丸「そうです!不思議な力を持った、架空のお酒です!」

松室「杏子さん...一緒に作ったんですか?(笑)」

杏子「あはは!(笑)さぁ、どうやって作るでしょうか!」

松室「そのまま海水を使うんじゃないんですよね?...砂?」

田丸「すごい!近いです!」

杏子「クイズ作家みたいになってる(笑)
   正解を教えてください!」

田丸「正解は、ビーチグラスです。海に落ちているガラスのかけらで
   丸くなってる、あれです。海の記憶が刷り込まれたガラスを
   お酒に漬ける、というものです。」


ショートショート作品は、文字数制限などはないものの
田丸さんの場合は3000~4000字程度。
さらに、”短く不思議な作品” が多いとのこと。

現在、ショートショートは人気ジャンルとなっており、
2021年中学1年生の国語の教科書にも、
田丸さんの作品が掲載されました。

もともとショートショート作品書き方講座が
小学校4年生の教科書に掲載されており、
その繋がりで、作品が教材として掲載される流れに...

杏子「書き下ろした?気を使いませんでしたか?」

田丸「書き下ろしました。まさに、そうですね。
   一回ボツになったんですよ、僕が攻めすぎて...(笑)
   というのも、普段よりもさらに、
   さまざまな解釈がされるという想定をしないといけない。
   その中で、攻めてしまって(笑)」

杏子「ボツになったの読んでみたいなぁ~」

田丸「まだ未公開作品なので、いつか機会があれば!」


1989年に愛媛県松山市で創設された、『坊っちゃん文学賞』は、
従来の長編作品の賞からリニューアルされ、
ショートショート作品専門の賞となりました。
そんな『坊っちゃん文学賞』は、田丸さんが審査委員長を務めています。

一昨年は9000点、昨年は7000点以上の応募作品が集まり、
人気の高さを感じます。

田丸「受賞者には、初めて書いた、という人もいらっしゃいました。
   僕らも全く知らずに、驚きました」

杏子「審査の時は、作家についての情報は一切なし?」

田丸「ありません。年齢、性別、全てなく、作品だけです。」

松室「結果的には、いろんな世代の方が集まってましたか?」

田丸「そうなんです。ありがたいことに、かなり満遍なく!
   最年少は小学生以下もいらっしゃいましたね」

先月、第18回 坊っちゃん文学賞が発表。
大賞に選ばれたのは、
椿あやかさん(神奈川県在住)の『月光キネマ』でした。

▼第18回坊っちゃん文学賞の受賞作品は、こちらから(松山市HP)
http://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/machizukuri/kotoba/bocchan.html#cms248C5


田丸さんの オンラインでの講座が間も無く開催されます。
ぜひ、詳細ご覧ください。

▼【第12期】みんなでお話づくりを楽しもう!田丸雅智のショートショート連続講座(全2回)
https://peatix.com/event/3200891?lang=ja

来週は、
田丸さんがショートショート作家になるまでの道のりを紐解きます!


M1. Eternal / 松室政哉
M2. Violet / 杏子