声優界随一のサイクリスト・野島裕史が、自転車をテーマにお届けしている番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。4月16日(土)~4月18日(月)の放送は、野島裕史のサイクルコラム「新社会人へ自転車通勤のススメ」をお届けしました。
“名刺交換”のポーズを取るパーソナリティ・野島裕史
◆自転車通勤のメリット、デメリットは?
野島:まずは自転車通勤の代表的なメリットからお送りしたいと思います。(コロナ禍という)ご時勢もあって、電車などの公共交通機関よりも“3密”を避けられるというメリットもありますし、脱炭素社会に貢献できることもありますし、いいことはたくさんあるのですが、何よりも一番感じるのは、やはり運動不足の解消じゃないかと思います。
特にデスクワークが多い業務の方は、通勤に自転車を採用することで運動不足が解消でき、運動不足の解消が実感できると思います。ただ、朝、会社に着いた段階で(自転車通勤により)疲れすぎて仕事ができない……なんてことがないように、距離的には大体片道1時間以内を目指したいですよね。それぐらいで通えるのであれば、自転車通勤を強くおすすめします。
(片道1時間)の距離がピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、ママチャリで通勤する方で、1時間だと15kmキロぐらいかな。クロスバイクの場合は20kmぐらい。ロードバイクだったら25kmぐらいまでの距離が目安になると思います。
“体力に自信があるよ”という人は、距離があっても毎日自転車通勤できると思います。実際に僕のサラリーマンの友達でもロードバイクで片道40km、つまり1日80kmを毎日往復している人もいますので、体力に自信がある人は自転車通勤もありなんじゃないかなと思います。
次に代表的なデメリットを1つ紹介します。それは、やはり天候に左右されてしまうことです。雨の日や雪の日、風がとても強い日などは、それなりに根性が必要になってきます(笑)。
雪国の場合は、雪に対応している自転車を使うといった対処方法もありますが、やはり安全のためには雨や雪が降っているときは、素直に諦めて公共交通機関を使って臨機応変にするのがいいと思います。
悩みどころは夏の暑い時期ですね。春の後半~秋の後半ぐらいまでは暑いので、これがちょっと問題ですね。冬は寒いという印象はありますけど、(自転車を漕いでいると)体が温まるので意外と大丈夫です。
夏に汗だくでの出社はなかなかつらいと思いますので、自転車用のジャージなど速乾性で汗を蒸発させる機能の服で通勤して、会社で着替える。また、トイレの個室などで、汗拭きシートを使って体を拭いて、着替えることをおすすめします。僕は、夏はわりとそうしています。
そして、注意する点もあります。交通ルールをあらためて確認して自転車に乗っていただきたいです。知っているつもりでも、意外と気づかない、もしくは忘れてしまっている交通ルールもあります。毎年改正されているので、安全運転のために必ず交通ルールを確認してほしいです。
いかに交通ルールを確認して、どんなに安全運転をしていても、残念ながら事故に遭う危険が0%というわけではないので、自転車保険には必ず入ってほしいですね。自分のケガはもちろん、他人にケガをさせてしまった場合も補償してくれるので、保険に入っておくと安心感が全然違います。
そして最後に。補足情報としては服装ですよね。先ほど(自転車用の)ジャージで出勤する話もしましたが、冬などあまり汗をかかない時期、もしくはそんなに汗をかかないぐらいの距離感で自転車通勤をする人で、スーツを着なきゃいけないという場合、自転車用のスーツも検索すればありますので。伸縮性があって速乾性があるので、スーツで自転車に乗れるのでおすすめです。通気性が高くて汗にも強いので、普通に夏のスーツとして営業で回るという人にもおすすめしたいです。
もう1つ言っておきたかったのは、会社が自転車通勤を容認しているかどうか。これが一番大事ですね。自転車通勤がダメな会社の場合、ぜひ頑張って説得してください(笑)。先ほど言ったメリットや、運動不足の解消になって仕事のモチベーションが上がるとか、脱炭素のためには会社としていいんじゃないかと、いろいろなことを伝えて、ぜひ説得していただきたいと思います。
次回4月23日(土)~4月25日(月)の「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」は、野島裕史のサイクルコラム「涙のお別れ!? ありがとう●●●●」をお届けします。どうぞお楽しみに!