4月8日に、京都でコンサートを行いました。
タイトルは「ペトロフピアノリサイタル」。
ペトロフは、チェコのピアノメーカー。
100年以上前に京都の地元の方達の寄付で購入、
明倫(めいりん)小学校で使われていたそうです。
このチェコのピアノを着物の女性が演奏している屏風絵があります。
京都生まれの日本画家、中村大三郎さんの屏風絵『ピアノ』。
中村大三郎さんは、美人が多く残した日本画家で、
赤い着物を着た女性がピアノを弾く姿を描いた屏風絵の『ピアノ』は代表作です。
この屏風絵を、3年前にリリースしたアルバム
『ピアノスイッチ』でオマージュさせてもらいました。
そのご縁で、コンサートにお声がけをいただいたのです。
演奏したのはコンサートホールではなく、京都芸術センター。
元明倫小学校の講堂で100年以上の歴史があります。
明倫小学校は、大政奉還の翌年1869年(明治2年)に創立された、
日本最初期の小学校の一つで、ペトロフピアノは明倫小学校の創立50年となる
1918年(大正7年)に地元の有志が寄贈したもの。
明倫小学校は、1993年(平成5年)に閉校となりましたが、
校舎は「京都芸術センター」として生まれ変わり、
ペトロフピアノも引き継がれました。
資料によると、明倫小学校の卒業生でもある中村大三郎さが、
明倫小学校のピアノと奥さんを、屏風絵『ピアノ』に描いたということなので、
京都芸術センターのピアノと屏風絵『ピアノ』に描かれているピアノは、
同じペトロフピアノということになるんですね。
明倫小学校に寄贈されたペトロフピアノは、
当時のチェコの宮廷で重用された最高級のものと同等のピアノでしたが、
長年の間に傷みが進み、演奏されることもなく芸術センターに保管されていました。
忘れられた響きと容姿を蘇らせようと、ペトロフピアノを使ったコンサートが
2004年(平成16年)から年に数回行われるようになったんです。
そのためピアノの音の響きも深いのです。
鍵盤を押すと少し時差があって、ゆっくり音が跳ね返ってくる。
まるで講堂とピアノが会話をしているような、あたたかでまろやかな音色でした。
3年前にアルバムジャケットでオマージュさせてもらうにあたって、
中村大三郎さんのご子息である実さんにご相談したところ快く承諾してくださり、
宇治にある実さんのご自宅にも伺いました。
今回のコンサートも実さんにご尽力いただいたので、
トークコーナーで飛び入り出演くださり、大いに盛り上がりました。
コンサートは中村大三郎さんの屏風絵『ピアノ』と同じ赤い着物で演奏。
着物にあわせて雅楽「越天楽」や「春の海」を演奏しました。
また、中村大三郎さんの屏風絵『ピアノ』には、
シューマンの「トロイメライ」の譜面が鮮明に描かれているということで、
「トロイメライ」も演奏させていただきました。
チェコのピアノで雅楽を演奏、しかも着物でというのは貴重な体験。
この日ならではのコンサートとなりました。
当日は夏日のように日差しがまぶしく、最高のお天気。
中庭には桜が残っていました。
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