2022年7月2日

西村由紀江のSmile Wind

オードリーが旅立って30年。
現在、初のドキュメンタリー映画「オードリー・ヘップバーン」が公開中で、
話題を呼んでいます。私も観ました。

私は幼少の頃からオードリー・ヘップバーンのファンでした。
オードリー・と言えば映画「ローマの休日」を思いうかべる人が多いと思いますが、
私が初めに好きになったのが映画「シャレード」。
サスペンスながら、ユーモアのあるストーリーをチャーミングに演じていて、
一目惚れしました。
ジバンシーの衣装の着こなしも憧れでした。

その後、多くの映画を見るようになった。
ほとんどが、昼間にテレビで放送していた奥様映画劇場でした。

所作が優雅だけど、気取っていないところに魅力を感じます。
映画「ティファニーで朝食を」の名シーンのように、豪華なドレスに身を包み、
立ったままクロワッサンをかじっいても、品があって美しかったです。

映画「シャレード」では、命を狙わるようなシーンでも走り方が
モデルのウォーキングのように綺麗でした。
バレエを習っているのは知っていましたが、そのバレエは楽しみだけではなく、
政治的な運動のためだったと知ったときは、衝撃を受けました。

今回、映画「オードリー・ヘップバーン」を観て分かりました。
オードリーが10歳の時に第二次世界大戦が勃発し、両親が離婚。
父親がファシスト団体に加入、運動に参加するために家を出て行き、
ヘップバーンは捨てられたという思いを強くします。

ヘップバーンも第二次大戦中はドイツのオランダ占領に対する抵抗運動に参加、
資金集めのためにバレエを踊っていた。
戦争が終わった時は、チューリップの球根を皆で奪い合うなど、
栄養失調が続いていたそうです。

その経験から、どんな日でもその日を精一杯楽しむ。
ありのままの1日に感謝するようになったそうです。

オードリーの表情は魅力的で、一度見ると目が離せなくなります。
幼少時代の苦難の経験が深みのある表情につながっているのではないかと
ストンと落ちた気がしました。

オードリーの名言。
『人生で成しとげたことがあるとすれば、苦しみを後から助けにできたこと。』

オードリーの映画を彩っていたのは、デザイナー、ジバンシーの衣装だけでは
ありません。
ヘンリー=マンシーニの音楽の功績も大きいのです。

もう1本、好きな映画を挙げるとすれば「暗くなるまで待って」。
オードリーが演じるのは盲目の主婦。
主人が見知らぬ人から強引に渡された人形にはヘロイン(違法薬物)が入っていましたが、
それを知らない主人は人形をヘップバーンに渡し、仕事に出かけてしまいます。
その薬物を取りに犯人がやってきて、オードリーの命が狙われるが、
知恵と勇気で犯人と闘うというストーリーです。

この盲目の役を演じる時、目の動きがわからないようサングラスをかけることを
監督から提案されれたそうです。
しかしオードリーは断り、繊細な目の動きで恐怖や動揺を見事に演じていました。

オードリーの愛らしさのイメージから、
どちらかというとアイドルやお姫様、お人形のように思われがちですが、
実はとても意志を持った女性だと思います。 

映画「パリの恋人」では、フレッド・アステアとのダンスシーンが圧巻。
フレッド・アステアは、「雨に唄えば」のタップダンスが世界的に有名で、
あのマイケル・ジャクソンもリスペクトし、お手本にしていたそうです。

フレッド・アステアと踊るオードリーは、表情も身体の動きものびのびとしているが、
本番の前は眠れないほど不安だったらしいそうです。
ダンスのスキルもフレッド・アステアとは全く違うし、
自分にはとてもできないと思ったそうです。
それを全く感じさせないのがすごい。
ちなみに映画「パリの恋人」の音楽を担当したのは、
ジャズの名曲「ラプソディ・イン・ブルー」で有名な
アメリカの作曲家のジョージ・ガーシュイン。
ダンスシーンの音楽は前衛的で斬新でした。

音楽でいえば、嬉しい発見がありました。

「おしゃれ泥棒」という映画も、音楽が印象的です。
特にタイトルバックはスピーティーでおしゃれで個性的、
オードリーの雰囲気にピッタリ。
エンドロールで音楽を調べると、
ジョニー=ウィリアムズ、つまりジョン=ウィリアムズだった。
おなじみの、スター・ウォーズや E.T、ハリー・ポッターなど、
数々の名作の音楽を手がけているジョン=ウィリアムズ。
当時はヘンリー=マンシーニの弟子だったそうで、
マンシーニが忙しかったためジョニー=ウィリアムズを推薦、
「おしゃれ泥棒」が出世作となり、後にジョン=ウィリアムズと名乗るようになったとか。

オードリー・ヘップバーンは後年、ユニセフ国際親善大使として
世界中の子供達のために、自身の名声を捧げ、この活動に生涯を捧げました。
恐怖や憎しみに溢れる世界で愛の重要性のために立ち上がったオードリー。
アメリカ合衆国における文民への最高勲章である大統領自由勲章を授与され、
その一カ月後の1993年にスイスの自宅で63歳で死去しました。
その信念と数々の主演映画で私たちの中に永遠に彼女が生き続けています。
皆さんもオードリーの映画とその音楽を感じてみてはいかがでしょうか。



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