第366回 藤巻亮太さん②

ゲストは先週に引き続き、ミュージシャンの藤巻亮太さん。

https://www.fujimakiryota.com

1IMG_3811.jpg


藤巻さんは、山梨県のご出身。
自然豊かな場所で、外で遊ぶアクティブな子供だったそうで、
習い事で器械体操をしていたことも。

「バク宙とかも調子に乗ってやってましたし、大車輪も当時はできました(笑)

 割と活発でしたね。でも、体操やったり、野球やったり、サッカーやったり、

 吹奏楽やったり...何やっても長続かなくて(笑)大学受験も希望したところに行けなくて、

 すごく中途半端に過ごしてきた劣等感が大学時代にありました。

 その劣等感って、自分に刃のように刺さって...そんな時に曲作り出しました。

 曲を作ったことで、心が軽くなって...今言語化すれば、”そんな時もあるよね” って

 自分を許容できるような。曲って包容力があるんだなって。」

その後、20歳でレミオロメンを結成され、今年はソロ活動で10周年も迎えました。
バンド時代とは音楽の向き合い方も変わり、新たな交友関係も生まれたそう。
そんな中で、登山家の野口健さんとは、世界のさまざまな山を登ってきたとか。

「音楽活動だけだと感じられなかったものを、吸収して、音楽にしていく10年でした。
 根っこを横に伸ばすのも大事だなって、思えました。」


藤巻さんは、東日本大地震の被災地でのチャリティライブや支援などを継続的に行われています。

最初に被災地を訪問したのは、

当時の事務所の炊き出しの手伝いで訪れた石巻と女川でした。
炊き出しの手伝いをする中、女川の保育園で『歌ってほしい』と声をかけられ

驚きながらも、”3月9日” を弾き語りで披露されました。

「こんな景色を前に、自分にできることは何もない、と思ったんですけど、

 自分なりにできることをしようと思って、そこから1~2年は、毎月1度は被災地に行きました。
 歌がどんな力になれたか...僕には問いしかなくて、力になれたのかなって。無力感ももちろん感じました。

 自分は、到底被災地の方々の気持ちが分かるなんて思えないですし、

 それでも、分からないなりに通じ合える、繋がりを感じられるようにありたいな、と。

 どちらも矛盾しているけど、その矛盾を大事にしながら活動していこうと思いました。」

2019年には、震災復興をテーマにした番組で被災地の取材を担当されました。

当時は、震災だけでなく、台風などの自然災害での被害もあり、

どんな言葉を聞くべきなのか、インタビュアーとして悩んでいたとか。

「その中で印象深かったのは、原発近くで自分の街で暮らすことに葛藤される

 町役場の方から『我々は過酷な環境にいることは間違いないけど、不幸だと思わないでください』

 って言われたのが印象的でした。不幸や幸せは、心の中の問題で、周りの人が決めることじゃないですよね。

 復興に向けるパワーを見た時に、人間の力が及ばない中でも、奪われない人間としての生き様がある、

 というものを、言葉から感じることができました。」


最後に、藤巻さんの『元気の源』を伺いました。

「普段生きていると、昨日の失敗、未来の不安で

 心がいっぱいになりがちなんですけど...”日々是好日”という仏教の言葉に出会いました。

 つまり、今日という日を見ていなくて、今を味わって真剣に生きることを忘れているな、と

 戒めのように響きました。何か不安になった時には、ちょっとこの言葉を思い出して

 今日できることを頑張ろう!いうふうにしてます。”日々是”! 日々是”って!(笑)」

2週にわたり、ありがとうございました!


M.  日々是好日  /  藤巻亮太