文教大学 Presents 誰かに話したくなる英会話。
このコーナーでは、文教大学・阿野幸一先生と一緒に、今日覚えて、すぐ誰かに話したくなっちゃう英会話を学んでいきます!

先週は、留学を通して英語力を伸ばすためには、2つの条件。
つまり、「海外での日常生活の場面と状況の中でたくさんの英語に触れること」
そして「実際に英語を使う」ことが必要というお話をしました。
まずは、2人の例をご紹介します。
どちらも日本に留学してきた海外の人の日本語学習の例です。
一人目は、私が高校の教員をしていたときに1年間ドイツから留学してきた女子生徒。
彼女は、来日当初は、日本語は単語でなんとか通じるかどうかという程度でしたが、
英語についてはネイティブ並に使える力を持っていました。
学級担任である阿野先生は、その生徒さんと色々なやり取りをする必要があったのですが、
英語でのやり取りだと楽にコミュニケーションが取れるので、
英語でいろいろと学校の事などを説明していました。
その時に、その生徒さんから言われたひと言が…
「私は日本語を勉強しに日本に来たのですから、英語で話しかけないで、日本語で話してください」
これは、阿野先生も確かにそうだと思ったそうです。
それ以降、クラスの生徒もずっと彼女とは日本語で話していましたが、1年後に帰国するときには、電話で会話をしたら日本人かと思うくらいに自然な日本語を話せるようになっていたそうです。
二人目は、阿野先生が勤める高校で3年間ALTをしていたイギリス人の男性の例です。
阿野先生は彼とティームティーチングで英語の授業を一緒にやっていましたが、授業の打ち合わせは全て英語でしていました。
授業中は教員も生徒も英語を使っています。
彼は、職員室では英語の先生と英語で話をしていて、休日に遊びに行くときにも友人の外国人の人と遊んでいました。
その結果、3年後に帰国するときに使えた日本語は、「ありがとう」と「お疲れさま」くらいしかなかったですし、阿野先生が勧めた美味しいラーメン屋さんにも、1人では行けなかったのです。
なぜなら「麺の堅さとスープの濃さ」を日本語で聞かれても答えられないからという理由でした。
そこで阿野先生が一緒に行ってあげて、「普通」を2回言えばいいと教えてあげて、やっと食べられたそうです。
この2人の例から、単に留学すれば語学力が伸びるわけではないことはわかります。
どう行動して環境を生かすかが大切ですね。