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今年は瀬戸内海国立公園指定90周年記念の年。この90年間で島はどう変わってきたのでしょうか? 県内の民族文化・芸能を調査されている香川県教育委員会 生涯学習・文化財課 文化財グループ 佐々木涼成さんにお聞きしました。
※写真/佐々木さん撮影・坂出市瀬井の盆踊りの様子(2024年)
この夏は『盆踊りイヤー2024』と銘打って、県内各所の盆踊りに伺った佐々木さん。
島嶼部では、(今は陸続きになった)坂出市の瀬居・与島・櫃石島の盆踊りへ。香川県の各島々では盆踊りの夜になると新仏の仏壇に吊るす燈籠を村の広場に持っていき、その前でお経を唱え、その後盆踊りを踊るそう。唄は『口説き』と呼ばれる、歌舞伎や浄瑠璃、地元に伝えられる物語を、七文字単位で区切って歌っていく唄が伝えられています。
与島と櫃石島は新仏の位牌を家族が背負って踊るという特色も。これまでの調査報告によると、位牌を背負う盆踊りは瀬戸内海域にしか見られない特殊な踊り方なのだとか。
※写真/佐々木さん撮影・坂出市瀬井の盆踊りの様子(2024年)
実は明治期に盆踊りが禁止されたという経緯がある香川県。「往年の盛り上がりは無くなった」「跡形もなくなった」という記録が残る中で、島嶼部は警察の目が届きにくかったのか、規制された時期も盆踊りを続けたのではないかと思われるほど古い歌の技法が残っているのだそう。だからこそ島の民族文化は昔のくらしを知る大切なものになりつつあります。
瀬戸内海国立公園指定100周年に向けて、島の民族文化がどう変わっていくのか?…
丸亀市手島の盆踊りが今年六年振りに復活したり、本島で虫送り行事が復活したりと、いままさに島の『民俗』に対する視線が変わっているのを感じる、と佐々木さん。
それに対し「香川県を民俗の国として盛り上げていきたい。それぞれの場所に伝えられる民俗行事の価値や歴史を掘り起こし、それをしっかり伝えていきたい!」と熱いメッセージをいただきました。この90周年をきっかけに、島に受け継がれてきた文化により注目していきましょう!
■島の民族文化・芸能の様子を覗いてみませんか?
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