動けなくなった時

高校の通学路に海岸があったんですが、ある日、日が暮れて雪が降りはじめた時、ふと吸い込まれるように、瀬戸内海の波打ち際に身を置いていました。さえぎるもののない空から、白い雪がふわりふわりと、一粒一粒輝くようにとめどなく降ってくるそれを見上げていると、なぜか涙が出ました。……結局そうやって、頭に雪を積もらせてぼーっとしていたら、2時間が過ぎていて、風邪をひきました。でも心はその雪の冷たさで浄化されたような気分になったものです。

きびた

広島県 / 女性 2019/10/30 00:05