熊楠も登場、明治新時代の著名人を虚実織り交ぜ描く物語

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タイトルの如くな物語小説ですが、
新谷さん興味わきませんか。
タイトルは
山田風太郎『明治波濤歌』1981年 新潮社刊
 現在は、ちくま文庫などで読めます。
それぞれ中心人物が異なる6篇の中篇で構成されている物語。
熊楠さん登場篇は
「風の中の蝶」
冒頭、粘菌を採取する姿の描写始まるんです!その後に得意技の 吐瀉シーンも。
熊楠さん中心の描写は前半1/3弱で、その後の物語は北村透谷と自由民権運動の悲劇的なストーリーになって少々きついですかね。
他のタイトルと主要人物は
「それからの咸臨丸」吉岡艮太夫、榎本武揚
「からゆき草紙」樋口一葉、黒岩涙香、村岡伊平次
「巴里に雪のふるごとく」川路利良(日本の警察の父)、成島柳北、ゴーギャン、ヴェルレーヌ
「築地精養軒」舞姫エリス、森篤次郎(鴎外の弟)、小金井良精(鴎外の妹婿、星新一の祖父)
「横浜オッペケペ」川上音二郎、貞奴(日本初の女優)野口英世
マイ・フェヴァリットは「横浜オッペケペ」です。
山田風太郎の「明治伝奇もの小説」は全部で8作ほどあり、最初に読んだ『幻燈辻馬車』が一番愛着があります。
『...危機に際して「父(てて)!」と幼い子が叫ぶと、血みどろの軍服姿の男が辻馬車から下りてくる・・・。』といっても恐怖物語ではなく幻想風味な物語。

追記]
少し前に読み終えた、村上春樹『騎士団長殺し』の主人公の妻の名が「ユズ」で最初は平静に読めなかったですね。
ただ、冒頭部分とエンディングのみの登場だったので、その後は平静に読み進められました。
きっと、この本を読んだゆづ民達も同じ思いをしたことでしょうね。



itohentokemonohen

埼玉県 / 男性 2020/9/4 16:23