赤い糸

MV「Replica」のまるで無表情な操り人形感、いいですね。光が差す窓辺を見つめたり、この人たちは私に何を求めているんだろうと両親を見ているシーンは無表情でありながら、強く語り掛けてくるものがあります。一転して、操り人形を縛っていた赤い糸がほどけ、レプリカが剥がれて本当の自分になって走り出す時の笑顔は、売れっ子脚本家に「新谷は笑顔がいいね」と言わしめるものがありました。そして、縛り付ける糸を解きほぐすシーンは、暗がりの中でがむしゃらにもがいて自分の力で変わりたいという意志がよく表れています。

ところで、この糸はほとがなきゃいけないけど、しっかり握り締めなければならない糸もありますね。それはチャンスの糸です。塩田監督がさくら学院に興味を持った糸。寸劇で監督に見つけてもらった糸。歌い出したアドリブを受け止めるシーンに導かれた糸。次はこの子で撮ってみたいとひらめかせる糸。まさに奇跡の連鎖で主演映画に結び付いた面もあると思える、繋がっている方が不思議なくらいのチャンスの長く細い糸。もちろん、今の活躍はゆづみちゃんの資質と努力によるところが大きいですが、ひとりゴトで前に言っていた「チャンスをしっかりものにしていく」ということも大切なことだと思いました。なーんて、本当は赤い糸が誰に結びついているのか、ドキドキしてMV見てた(笑)

風の口笛

東京都 / 男性 2021/11/14 12:08