忘れられない忘れ物の思い出

新谷さんこんにちは。

僕の、忘れられない忘れ物の思い出を聴いてください。

以前勤めていた会社の面接に行った日のことです。スーツを着込み、さあ出発!と電車に乗り込んだときに、あろうことか、カバンの中に履歴書が入っていないことに気がつきました。家に忘れてきてしまったんです。すでに十数件目の面接、もう、後がありません。絶体絶命のピンチ…

とにかく電車を降り、面接先に「電車がトラブルで遅れているので一時間ほど遅くなる」と思い付きの嘘を言い、急いで帰宅し、玄関先に置きっぱなしだった履歴書をカバンに入れ、「電車に乗り直すより早いかな?」と原付バイクに乗り、知らない道をひた走り、途中で豪雨にびしょ濡れになりながら、なんとか一時間遅れで会場に到着しました。

ただ、「電車が遅れた」と嘘を言ったので、バイクで来たことがバレてはいけません。人目につかなそうな場所にそっとバイクを隠して、濡れた髪を整え、「申し訳ありませーん」と何食わぬ顔で面接会場に入りました。そして、なんと、およそ60分の3という倍率で入社が決定したのです。

それから5年ほど経ったある日のこと。僕の面接官を担当してくださった上司が定年退職し、送別会が開かれました。その上司が酔っ払いながら僕にこう言いました。

「お前、面接にバイクで来ただろ。」


…なんと、最初から全部バレていたんです!!

僕がバイクを隠しているところを上の階からずっと眺めていたんだそうです。ほんとビックリです。

そんな嘘つきがなぜ面接に受かったかって?

聞くところによると、目的のためなら嘘をついてでもチャンスにしがみ付くしたたかさが評価されたんだそうで。(先輩、それは買いかぶりすぎだよ〜

んがぐぐ

東京都 / 男性 2022/9/3 13:12