ある忘れ物のはなし

ゆづみん、こんにちは!
ドラマ「トモダチごっこ」や「あけておねがい」のご出演おめでとうございます!

私の母の話を聞いてください。
母はもうすぐ86歳、年齢的にはすっかりおばあちゃんなのに、家業である商売の帳簿も付けられるほど、頭がしっかりしているのが、私たち家族の自慢でもありました。

ところがこの母が、つい先日突然倒れ、病院に救急搬送される事態に! 職場にいた私にも電話で知らせがあり、妻の声のあわてぶりに、ひょっとしたら、もう母の死に目には会えないかもしれないと思い、急に悲しさがこみあげてきました。「こないだ作ってくれたメンチカツ、おいしかったよ」と言うのを忘れていたことを後悔し、自分を激しく責めました。

1時間ほどして病院に着くと、なんと母は生きておりました。「よかった!」とひとまずは安心したのですが、母は脳に損傷を受け、記憶障害があるとの診断でした。

幸い私のことは覚えていたので、万感(ばんかん)の思いを込めて「こないだのメンチカツな、あれうまかった!」と伝えました。すると、母はキョトンとして、「メンチカツ?なんだっけ?」と言うではありませんか。なんと、母の記憶からメンチカツは消えていたのです。

人間、明日のことは誰にもわかりません。大切な人にどうしても伝えたいことがあるなら、あとのばしせずに伝えるべきだと、教えられた出来事でした。ゆづみんは、伝えそびれている大切なこと、ありませんか?

さかな師匠

山形県 / 男性 2022/9/21 16:23