インドにて

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新谷さんは寝台列車に乗ったことありますか? 初めて行ったインド、車両の最後尾は壁で囲われている女性専用の部屋、その目の前の1人がけの向い合せの席で16時間の長旅に出発しました。途中、女性専用部屋の扉が開かずに困っているのを近くの男性と一緒に扉をこじ開けることとなりました。彼はバングラデシュのイスラム教の偉い司教さんとそのお付きの人達の一行でその内の1人が日本大好きな人であったために仲良くなり質問攻めに!でも英語が苦手な私の話に一生懸命耳を傾けてくれ分かりやすい単語で話してくれたりと終始思いやりの感じるやり取りでとても素敵な時間でした。 インドに行ったのは井戸掘りのボランティアのためで、参加者は井戸を掘った村から各自で最終目的地に行き集合するというものでした。そんな話もしていたら一人の大柄の人が話に入ってきてやたら感激して熱く語ってくれました。でも私の英語力では7割ほど聞き取れず申し訳なかったです。 そして夜を迎えました!インドの列車はアナウンスは小さいし、停車せずに超低速で走ったまま駅を通る感じで、降りる人は勘で降り、乗る人は飛び乗ってくるというカオス、夜もいつ誰が出入りするかわからない扉のすぐ横の下の段が私の寝床でした!なので駅らしい所では薄目を開けて警戒しながらウトウトしていました。するとある時から駅を通るたびに扉の横に立つ人影があることに気が付きました!やばい狙われてる!と思い、暗がりの中恐る恐る目を開けて見てびっくり!そこにはあの大柄の彼が立っていました。どうやら司教さんと一緒に私も見守ってくれてるようでした。なんだか安心してしまってそこからぐっすり眠り込んで気が付けば朝!既に終点は目の前でいつの間にか皆朝食も食べた後のようでした。するとあの日本大好きの彼が「昨日は楽しい時間をありがとう」と朝食セットの包みを渡してくれました。すぐに列車が減速しはじめてみんな荷物を持って扉に向かい出しました。慌てて彼に朝食の御礼を言ったあと例の大柄な人に「昨晩駅に着くたびに見守ってくれてありがとうございました」とお礼を言いました!ところがその人は「そんなの私は知らないよ!でもきっと君はいつも誰かに守られているんだ、君の行いのお陰で」と言って去っていきました。 かっこいい!なんてかっこいい人なんだ!と感動しました!いつか自分もそんなかっこいい大人になれたらいいなと思いました

KASHIMO

奈良県 / 男性 2022/10/5 16:54