S先輩の思い出

新谷さん、こんにちは。お元気ですか?

私が高校時代に所属していたソフトテニス部の先輩の思い出を紹介させてください。 

ソフトテニスはダブルスが基本で、たいがい決まったパートナーとペアを組みます。同級生同士のペアが多い中、私は一つ年上のS先輩とのペアでした。

S先輩は極端に口数が少なく、めったに笑わないという、かなり変わった人でした。だから、日頃からコミュニケーションを取るのには、結構苦労しました。ストレートに思いをぶつけ合うことができず、プレー中にミスがあっても「S先輩、ドンマイです!」みたいに、気を使った言い方しかできなくて、ストレスを感じることもありました。

どこか噛み合わないペアのまま、S先輩との最後の県大会がやってきました。案の定、私達のペアは善戦むなしく2回戦で敗退。S先輩の夏が終わりました。私のミスのせいで負けた試合でした。試合の後、S先輩への申し訳なさと、情けなさで、私はまともに先輩の顔を見ることができませんでした。

ところが、その時S先輩は私にこう言ったのです。「今までありがとう。お前とペアになってからテニスが楽しかった」と。先輩からの思いがけない一言に、私は激しく泣きました。

一年後、私は一つ年下の後輩とペアを組みました。県大会は3回戦で敗退。私に泣いて謝る後輩に向かって、S先輩からいただいた言葉をかけたことは言うまでもありません。


きっと新谷さんにも、先輩からもらった、忘れられない言葉があるのではないでしょうか?教えていただけたら嬉しいです。

さかな師匠

山形県 / 男性 2024/4/29 16:49