キスのシチュエーション

私は今、青森県にある農家に農業の体験宿泊に来ている。

今日は田植えの体験だ。
もちろん私は水を張った田んぼに足を入れるのは初めてだ、
何度も何度も泥に足を取られ転びそうになる。
そんな私を見てその農家さんの娘さんが私に手を差し伸べてくれた。

普段は東京でラジオの仕事をしているが今日は田植えの手伝いで休みを取って帰省したそうだ。

「あ、ま、松島さんありがとうございます。あーっ!!!!」
私は手を差し出したとたんに足が取られて転んでしまい、娘さんに覆い被さるように倒れ込む。

なんとか両手をつっぱりあお向けの娘さんに抱きつかないようにするが、どんどん突っ張っている両手が土に沈み、もがけばもがくほど手が沈み、娘さんの顔と私の顔が接近する。

あぁ、あぁーーーっ!と、もがいていると。

娘さんが私を見つめて言う。

「私は花、花は自分からミツバチを探さないの、待つの!さぁ、おいで、ミ、ツ、バ、チ、さん」

そして、私と娘さんは唇を重ねる、二人の脳裏にはあのオースティン・マホーンの 「ダーティ・ワーク」が流れ唇を重ね続ける。

あにまる

岩手県 / 男性 2017/6/14 15:37