Z世代の「アフガニスタン戦争」への本音 9/15 NY Future Lab

    

これからの時代の主役となる「Z世代(10代~22歳)」と「ミレニアル世代(23歳~38歳)」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どうした性質や特徴があるのか、さらにグローバルビジネスや海外進出企業も知りたいこれからの消費動向について、ミレニアル・Z世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していく。



☆シェリーさんのPresident記事「「9.11ってなに?」アメリカで同時多発テロを知らない若者がどんどん増える深刻な理由」こちらから!

今回のテーマはZ世代は「アフガニスタン戦争」についてどう考えているのか


<本記事を要約すると…>
●アメリカでは17歳未満の感染者が全体の3割を占めている。そのため学校のそばにワクチンバスを設置するなどして接種の促進に努めている。

●アメリカの世論調査ではアフガンから撤退して良かったと考える人は過半数を超えている。ただ、「撤退のやり方は失敗だった」と考える人は7割を超えている

●「アフガン戦争は失敗だった」と考えている人は6割超。ただ、20年前に戦争が始まった当時は8割の人がこの戦争を支持していた。

●Z世代はアフガニスタン戦争を振り返り、「アメリカが繰り返してきた負の歴史をまた繰り返している」「利益目的の戦争だったように思えてならない」「自分の国が嫌いになりそう」と話す。

●シェリーさんは「歴史の解釈は時代と共に変わるので、何が正しいのかを自分の頭で考えられるような教育をすることが大切」と説いている。




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綿谷エリナ:綿谷エリナのOn The Planet 。この時間は「NY Future Labミレニアル・Z世代研究所」です。



ヒカル:Hi I’m Hikaru.

メアリー:Hi I’m Mary.

ケンジュ : Hi I’m Kenju

ミクア: Hi I’m Mikua, welcome to New York Future Lab 2021.



綿谷エリナ:
今夜もニューヨーク在住のジャーナリストでミレニアル世代とZ世代評論家・シェリーめぐみさんと電話が繋がっています。シェリーさん!

シェリー:
エリーさん! こんばんは~!

綿谷エリナ:
こんばんは!

シェリー:
NYはね、公立の小中高の新学期が今週から始まったんですよ。

綿谷エリナ:
はい。

シェリー:
うちの近所に中学があるのですが、そのすぐそばに月曜日からワクチンバスが来ているんです。

綿谷エリナ:
ワクチンバス?

シェリー:
そうなんです。バスで来て、テントを設置して、そこに予約なしでウォークインで受けられるので、下校時刻になると生徒が並んでいたりするんですよ。

綿谷エリナ:
そうすることで接種する人が増えるように働きかけているということなんですね?

シェリー:
そういうことです。というのは、アメリカの12~17歳の接種率がかなり低いんです。一方で、17才以下の子供の感染が全体の3割まで来ているんです。

綿谷エリナ:
あ、多いんですね。

シェリー:
多いんです。ワクチンの接種率もアメリカ、日本に追いつかれそうなのでね、テコ入れしているんですけど。でもね、今NY市内でワクチン打つと100ドルもらえるんですよ。

綿谷エリナ:
ええ~!すごい!

シェリー:
だから、多分不便だから、とか、仕事があるから受けられない人がきっと多いっていうことを考えて、こういうバスを出しているんじゃないかと思うんですけどね。

綿谷エリナ:
まあでも行こうと思えば受けられる、と言う環境があることは良いことですよね。

シェリー:
そうですね。環境があるのに受けない、、というのは、受けたくても受けられない人が多いほかの国の人たちに対し申し訳ない気もしますけどね。

綿谷エリナ:
まあね。若い世代の感染は気になる話題なので、その話もまた聞かせて下さい。さて、今日はどんな話題ですか?

シェリー:
はい。先週は 911の後に生まれてきたアメリカZ世代が、あまりその歴史を教えられないと言う話をしました。

綿谷エリナ:
そうでしたね。

シェリー:
その理由は「911がまだ終わっていない現在進行形の歴史だから」とお伝えしたんですが、今日は「911の報復として始まったアフガニスタンでの戦争」について、ラボのZ世代はどう考えているのか。特に、アメリカ軍の撤退をめぐる一連の混乱を受けた感想を聞きました、まずケンジュから。


ケンジュ:I was upset when I heard about that. I saw so many Americans are still there.

シェリー:ニュースを見て気が動転した。まだ多くのアメリカ人やアフガン人が残されていたから。ヒカルは?

ヒカル:もうちょっとうまいやり方がないのかなと思いました。バイデンさんが軍の撤退をするというのはずっと言っていたことなので、そこはまぁいいとして。

メアリー:正直にいうとThe more I learned about it just the more sounds like it’s American history repeating itself in a way it should like insert self into the country and then basically destroyed the government and believes this like a power vacuum. Now the Taliban is in charge again even the whole reason of going to Afghanistan was to get rid of the Taliban.

シェリー:メアリーは、その背景を知れば知るほどアメリカが同じ歴史を繰り返してるとしか思えない。他の国に侵攻してその国の政府を破壊し真空状態を作ってしまう。そこを今再びタリバンがコントロールされている。もともとアフガニスタンに行ったのもタリバンを倒すためだったのに。

メアリー:Was there even a point the beginning to do any of this other than I don’t know for some reasons, oil it’s always brought up. Why we’ve been there so long. Why is all of our money going there other than war is profitable I guess.

シェリー:そもそもアフガニスタンに戦争に行く意味があったのだろうか、よく知らないけど石油のためだと言うのもよく言われる。そしてなぜ20年も戦ったのか?よほどの利益が得られなければ、これほどの莫大な私たちの税金が費やされるわけがない。



シェリー:
世論調査ではアフガンから撤退して良かったと考える人は過半数を超えているんですよ。だけど、撤退のやり方は失敗と考える人は7割を超えているというね。

綿谷エリナ:
これ、あれですよね。2003年にイグナティエフっていうカナダの政治家が書いた「Empire Lite: Nation-Building in Bosnia Kosovo and Afghanistan(邦題:軽い帝国)」ってやつ、あれまた最近すごいまた読まれているって聞いて。そこでも「こういう撤退の仕方になるんではないか」って、2003年に書かれていて。そういう話を聞いてびっくりしたのを思い出して、メアリーが言ってること、分かる気がするって思って。

シェリー:
そういう疑問も含めて、、この20年の戦争はなぜ20年も続けたのかという疑問の答えはまだ出ていないわけです。
ではなぜわからないのか? メアリーはこう分析します。

メアリー:Like with the second let you hear about these bombing in Afghanistan like right now, people really care. But if you keep everything secret like it has been in the last 20 years and nobody pays attention to it.

シェリー:アフガニスタンの爆発の様子を少しでも見れば人々は関心を持つ。でもこの20年のようにすべてを秘密にすれば誰も注意を払わなくなる。つまり国民に知ってほしくない、批判されたくないからあえて知らせなかったと思うのね 。

ケンジュ:Just economic control and money. So if you really like think about it, It’s like eye-opening To see what American government is truly is.

シェリー:戦争を続けた理由は経済をコントロールするのとお金のためだったと思う。その理由を考えたおかげでアメリカの政府というのがどういうものかはっきりと見えた、というのがケンジュ。ミクアは?

ミクア:It kind of makes me feel like I don’t know if I’m a part of American like I’m proud of all the things had happened here.

シェリー:そんなふうに考えるとアメリカがこれまでやってきたことを誇に思えるのかどうかが分からなくなってしまう。

ケンジュ:I disagree with that cause America has lost things but I don’t think it’s actual America it’s minority of people and American government. Like most of the people are actually against the war for years.

シェリー:それは違うと思うよ、確かにアメリカはいろいろなものを失ったけれどそれはアメリカそのものではなく限られた人々とアメリカ政府の問題だと思う。ほとんどのアメリカ人はもう長いこと戦争に反対しているもの。



綿谷エリナ:
ケンジュの言ってることもわかる。

シェリー:
このね、20年続いたアフガニスタンでの戦争は「永遠の戦争」ってよく言われますけど、「忘れられた戦争」とも言われるわけですよ。だから「隠された」って思う人もいるんです。そうなると、ミクアみたいに「このままでは自分の国が嫌いになりそう」みたいなね、アメリカのアイデンティティに関わる問題にもなるんですが。こういう問題を作り出しているのはアメリカ人ではなく政府だっていうね。「アメリカ人の多くは戦争には反対しているんだ」って言うのがケンジュなんですね。

綿谷エリナ:
はい。

シェリー:
ここで再び世論調査を見てみると、「アフガン戦争は失敗だった」と考えている人は6割を超えている。
で、これ20年前に始めた時は911の直後だったこともあり8割が支持していたんです。

綿谷エリナ:
そういう時代だったんですね。

シェリー:
20年間経ってみて、世代交代して多様化したアメリカが色々な意味で変わったっていうことだと思うんですが、こういう歴史の解釈って時代と共にどんどん変わっていくので、そういうことを自分の頭で考えられるような教育をすることが大切なのではないかなと思います。

綿谷エリナ:
自分はどういうスタンスをとっていくのか、ということを改めて考えていくことが必要なのかもしれませんね。さて、今回のテーマで久々にプレジデント・オンラインとのコラボ記事も出たんですよね。

シェリー:
そうです、ミレニアル・Z世代研究所。アメリカで911を知らない若者が増える理由を解説しています。Twitterなどをチェックしてください。

綿谷エリナ:
シェリーさん、今週もありがとうございました!!!

シェリー:
ありがとうございました!

綿谷エリナ:
そしてNY Future Lab、JFNアプリAuDee そしてSpotifyでもぜひチェックしてみてくださいね。次回もお楽しみに。

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