声優界随一のサイクリスト・野島裕史がパーソナリティをつとめ、自転車をテーマにお届けするTOKYO FMのラジオ番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。6月4日(日)の放送は、野島裕史のサイクルコラム「富士ヒル前夜」をお届けしました。
パーソナリティの野島裕史
◆1年間で最も気合を入れるイベント「富士ヒル」
野島:(6月4日(日)に開催される)「富士ヒル(富士の国やまなし 第19回Mt.富士ヒルクライム)」は、僕が1年のなかで最も気合を入れて参加するサイクルイベントです。
どういったイベントかと言いますと、富士山の五合目まで富士スバルライン(富士山有料道路)、距離およそ24km、標高差1,270mを一気に駆け登るというもので、この番組が始まる何年も前から個人的に参加し続けてきた大好きなサイクルイベントです。
僕は普段、あまり目標を設定しないタイプなんですけど、富士ヒルは90分を切るという大きな目標があります。ただ、これがなかなか切れないんですけどね(苦笑)。特に去年はその目標を達成すべく、トレーニングにトレーニングを重ね、万全の体勢で望もうとしたのですが、新型コロナを発症してしまって、泣く泣く辞退せざるをえない状況になってしまい、本当に悔しかったです。
しかも、2年前に参加したときは、これまたコロナ禍でトレーニングが思うようにできず、なおかつイベント自体久しぶりの開催とあって、ガチで臨むというよりもお祭り気分で、エンジョイしながら富士山を登ろうと結構時間をかけて登ったんです。
なので、ガチで富士ヒルに臨むのはもう4、5年ぶり。そんな今年なので、早い段階からトレーニングを頑張ろうと思っていたんです……。
ですが、本格的にトレーニングに励もうと思った3月初旬に左足首を捻挫。それ以前にも肩を痛め(五十肩)、すべてのトレーニングができなくなっちゃいました。持久系のトレーニングも筋トレも何もできなくなってしまい、しかも捻挫がひどくて……。
1週間ぐらいはギプスをはめて、その後も2~3週間はテーピングをし、痛みは結局3ヵ月ぐらい続いて、捻挫ってこんなに長く続くものなんだと初めて知りました。
◆練習不足で富士ヒルに不安、一方で期待することも
そんな満身創痍の状況だったのですが、その後ロードバイクに乗れるようになり、富士ヒルにも出場できることになったのは、本当にうれしい限りです。万全とは言えませんが、出場できないという不安もあったので、とりあえず出場できるのはうれしいですね。
結局、ヒルクライムのトレーニングはほとんどできていないのですが、富士ヒル開催の約1ヵ月前からランニングとスイミング、そして持久系のトレーニングは復活させました。筋トレは、捻挫してからも休んだのは3週間程度で、一応続けていたので、体力的には本来の自分に戻りつつある状態で(大会に)臨めるのではないかと思います。
とはいえ、不安要素は多いんですよね。一番不安なのは、やっぱりロードバイクで(久しく)坂や峠を登っていない、ヒルクライムをしていないこと。これが最も大事なトレーニングなので。富士ヒルを完走することは可能だと思うんですけど、目標である90分切りは現時点では難しいんじゃないかなと思っています。
それはトレーニングができなかったというのもありありますし、足首も完治はしていないので、途中で痛みが出ないとも限らない。僕にしては珍しくも、ちょっと不安を抱えながら臨む富士ヒルではあるのですが、逆に期待している部分もあるんです。
それは、パーソナルトレーニングで体幹を徹底的に鍛えているので、おそらくより一層力をペダルに伝えられるということ。エネルギーのロスが少ない状態で効率良く、無駄なくペダルを回すことができるんじゃないかと思っています。
ただ、ぶっちゃけていうと、筋肉はヒルクライムの敵、(筋肉は)重量という欠点があるんです。一説には胸の筋肉はいらないとまで言われていますが、富士ヒルはヒルクライムではあるけど、速度が出るタイプのヒルクライムなので、スプリンターにも比較的有利なんじゃないかなと思うんです。なので、(筋肉は)諸刃の剣ではあるのですが、僕自身はバランスを考えて筋トレをしているつもりです。
自転車のトレーニングをあまり行っていないなかで、どれぐらい調子良く登れるのか。また、今回は筋トレを本格的に始めて以降、初めての富士ヒルになるので、一体どのような効果が現れるのか、顕著にわかるんじゃないかと思います。
そうしたなかで今回はどれぐらい成績が落ちてしまうのか、はたまた伸びるのか。筋トレが吉と出るか凶と出るか、とても楽しみです。
とはいえ、無理は禁物です。痛めている肩や足首をさらに痛めちゃうと今後の活動にも影響が出てしまうので、今年は基本的にはリハビリライドの気持ちで参加し、今出せる力を全力で出し切って臨もうと思います。
6月11日(日)の「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」は、野島裕史のサイクルコラム「雨の日対策」をお届けします。お楽しみに!
<番組概要>
番組名:サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国23局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週日曜 朝5:00~5:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトおよびアプリ「AuDee(オーディー)」でご確認ください)
パーソナリティ:野島裕史
番組Webサイト:
http://www.jfn.jp/toj