蒲田健の放送後記

番組MCの蒲田健による放送後記 今回は森絵都さん。

いつの世も人々は教育の体制や制度に不満を持っている。

森絵都さんの最新作「みかづき」

全ての人が当事者とも云える教育という分野。各々の人が各々のやり方で
子供のためによかれとして行う営み。
そこには百人百様のアプローチが存在し
完全無欠「満月」のような唯一絶対の正解は存在しえない。
それぞれがどこか欠けている「みかづき」なのだ。
だがそうだからと言って不完全であることに居直ってはいけない。
欠けていることを認識しつつも、少しでも満月に近づけるよう
不断の努力をけいぞくすることが、教育を与える大人に求められる態度なのだ。

戦後の日本の教育をめぐる三世代に渡る重厚な長編小説。時代、社会によって
変動する状況の中での奮闘を描く人間ドラマ。

さあ、自分なら、何ができるだろう?


“満ちること ついぞなきこと 知りながら
          求め続ける それが肝要“



P.S. 作品の舞台が奇遇にも私の小学校高学年を過ごした地。リアリティが否応なく増しました。