BROMPTON in the U.K.:第2回アイラ島〜ラフロイグ蒸留所

10月10日~15日O.A、「“いただき”サイクルコラム」 内で紹介するコラムを掲載!

ロンドンの次はアイラ島へ。
スコッチウィスキーの聖地として有名で、私も蒸留所のいくつかを見学して参りました。
ラフロイグ蒸留所では、ピートが燃えるところを見てきました。ピート、すなわち泥炭は、湿地帯で得られる燃える土のこと。発芽した大麦の種を乾燥させる際に用いられ、このときに着く独特の香りは、スコッチウィスキーの大きな特徴となります。


燃焼するピート

乾燥させた種は麦芽と呼ばれ、これを水に加えて発酵させると、アルコールを含むにごった液体になります。苦い甘酒といった感じでしょうか。このときのアルコール濃度は7%ほど。これを蒸留すると、度数の高い透明な液体となります。


発芽した大麦

蒸留したあとは、樽(カスク)に入れて熟成を待ちます。バーボンやシェリーの樽が使われますが、その風味をお酒に移して仕上げるわけです。
見学ツアーの最後には、3つの樽から原液をそれぞれ独立して飲ませてもらうこともできますが、これはなかなか貴重な体験。


見学ツアーの最後には、樽から汲み出されたウィスキーが試飲できる。

といいますのも、ひとつの樽からのみ取られたお酒は、「シングルカスク」として売られていますが、加水されていることが多いです。
一方、水を加えず樽から出したままを意味する「カスクストレングス」もありますが、これはいくつかの樽からブレンドされていることがあるそうな。
今回のお酒は、いうなれば「シングルカスクストレングス」(そのような言葉はないらしいですが)で、アルコール度数50%以上のものを、そのまま楽しむことができる。これは、島を訪れた旅人ならではの楽しみです。(「第3回アイラ島〜ブルイックラディッヒ蒸留所」につづく

【コラムニスト】小西正喜(こにし まさよし)。
自転車と日本酒をこよなく愛する当番組プロデューサ。英国旅以来、スコッチウィスキーの奥深い世界に、大いに魅了されている。