☆ジャーナリスト、シェリーめぐみさんのコーナー「シェリーめぐみ from NY」
今回はニューヨークで日本の演芸《落語》の公演を行っている《桂サンシャイン》さんをピックアップ!日本の笑いは受け入れられるのか?!
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玉川太福「この時間はシェリーめぐみ from NY!アメリカ ニューヨーク在住のジャーナリスト シェリーめぐみさんにアメリカの今を伝えてもらいます。シェリーさん、こんばんは!太福です」
シェリーめぐみ「太福さん~こんばんは~今日は緊張しているんです…」
玉川太福「え?何でですか?シェリーさんと僕の仲じゃないですか。緊張することなんてないですよ」
シェリーめぐみ「あ、いや、仲はね。いいですけど(笑)」
玉川太福「(笑)」
シェリーめぐみ「日本の演芸の第一人者に対して、日本の演芸のレポートをさせていただくということで今日は少し緊張しています」
玉川太福「あら!大丈夫ですよ。私第8人者くらいなんで!」
シェリーめぐみ「私0なんで…あ、マイナスか…」
玉川太福「(笑)」
シェリーめぐみ「先日、ニューヨークで桂サンシャインさんの落語を見てきました」
玉川太福「あ、私もお名前は伺っています」
シェリーめぐみ「桂サンシャインさんはカナダ人の落語家さんで、日本ではかなり知られた方と伺っていましたが」
玉川太福「あ、そうですね。外国人の噺家って珍しいですからね」
シェリーめぐみ「アメリカではまだほとんど無名。そもそも落語自体全く知られていません」
玉川太福「そうでしょうね…」
シェリーめぐみ「桂サンシャインさんは、それを持ってきてオフブロードウェーで連続公演(週2回ずつ1月まで)をする予定です。かなり野心的な試みですごいと思いました」
玉川太福「凄い!ちなみに、オフブロードウェーって何人くらい入るところなんですか?」
シェリーめぐみ「オフブロードウェーというのは、席数500以上のブロードウェーに対し、500以下だとオフということになります。サンシャインさんは多分400席くらいだったかな?」
玉川太福「500が基準なんですね。サンシャインさんは400ですか…とても大きいですね!」
シェリーめぐみ「そうなんです。桂サンシャインさんが連続公演しているニューワールドステージはオフブロードウェーの劇場が5つ集まっているシネコンみたいな劇場でなんです」
玉川太福「あ~じゃあ東京芸術劇場みたいなところなんですね」
シェリーめぐみ「そうそう。桂さんの隣の劇場ではロングランのジャージー・ボーイズやロック・オブ・エイジズ上演中」
玉川太福「ええ!?すごい!そこに肩を並べたんですね!」
シェリーめぐみ「そう、そこの表紙に並んでいるんですよ。そんなシアターの舞台には提灯が並び上方の寄席の雰囲気に」
玉川太福「うんうん」
シェリーめぐみ「お客さんは7割はアメリカ人、3割が桂さんを応援する日本人コミュニティ」
玉川太福「あ、シェリーさん。途中なんですが、一点だけシェリーさんにお伝えしてもいいですか」
シェリーめぐみ「はい」
玉川太福「芸人さんでも浪曲師でもそうなんですが、桂さんですと桂さんめちゃくちゃいるので、先ほどのようにサンシャインさんって下の名前で呼んだ方がいいですね。私も玉川ではなく、太福さんと呼ばれています」
シェリーめぐみ「おぉ!!学んだ~学びました!!サンシャインさん!!」
玉川太福「(笑)私が教えられるのはこれくらいです…」
シェリーめぐみ「そっか~、玉川さんって人いっぱいいるんだ」
玉川太福「そうなんです!」
シェリーめぐみ「分かりました…!!サンシャインさんを応援する日本人コミュニティと、
ステージに登場したのは着物に金髪のカナダ人でやるのは日本の伝統芸の落語、
もうこの時点でニューヨークらしい《文化のるつぼ》な雰囲気」
玉川太福「ちなみに、その400席くらいで、差支えなければ何割くらい入ったんですか?」
シェリーめぐみ「土曜日の夜だったんで、8~9割入っていました」
玉川太福「すご~い!!!すごいな…」
シェリーめぐみ「プロモーションとか出しているので、それなりに入っていましたね」
玉川太福「凄いわ…どうでしたか?」
シェリーめぐみ「いや面白かったですよ。ニューヨークタイムスのレビューにも書かれていて、凄いんですよ!ニューヨークタイムスにレビューされるのって!」
玉川太福「へ~!」
シェリーめぐみ「内容が《座ったままやるスタンドアップコメディ》と」
玉川太福「面白いな(笑)」
シェリーめぐみ「これね、上手いこと書くなって思いました。
アメリカではコメディアンが一人でステージで演じるのをスタンドアップコメディと言いますが、日本の伝統的なコメディは座ってやる…なるほど!と」
玉川太福「わかりやすい」
シェリーめぐみ「その言葉通り座ったまま、でもスタンドアップコメディのノリで、アメリカ人に馴染み易いようなスピード感とパワーでお客さんグイグイ掴んでいく感じ」
玉川太福「え、それは英語でやるんですよね?」
シェリーめぐみ「英語。でも時々日本語も混ぜて、日本語も話せるんだよってところも見せてね」
玉川太福「あ~それもお笑いにしているんだ」
シェリーめぐみ「そうそう。まず自分が経験して苦労した日本の文化の違いみたいな話で笑わせつつ、落語ってどういう芸なのかを伝えていくんです」
玉川太福「うん」
シェリーめぐみ「例えば日本人を褒める時、《あなたは素晴らしい》と褒めると…太福さん何て答える?」
玉川太福「《いやいや大した事ないですよ~》」
シェリーめぐみ「《いやいやそんな事ない、太福さん本当に素敵ですよ!》」
玉川太福「《いやいやいやいや、シェリーさんの方が素敵じゃないですか!》」
シェリーめぐみ「そうそう!!こんな感じで延々終わらない!」
玉川太福「(笑)」
シェリーめぐみ「でも英語だと…」
玉川太福「《シェリーさん素敵ですね》」
シェリーめぐみ「《わー!嬉しい!ありがとう!》で一瞬で終わる、とか(笑)」
玉川太福「(笑)」
シェリーめぐみ「実は文化の違いで笑うエスニックジョークは、人種のるつぼNYのスタンダップコメディの笑いのツボでもあり、なかなかうまい構成になっています。
こういう日本人はこういう人で、落語にも反映されているんだよ~という準備運動をして、
今回は《うまれかわり》と《ちりとてちん》という演目を披露するからアメリカ人にもとてもわかりやすく感じたはずです」
玉川太福「へ~《うまれかわり》って聞いたことないな…」
シェリーめぐみ「もともとグリム童話らしいです」
玉川太福「ほう」
シェリーめぐみ「グリム童話を元にした、桂…さん?かな?」
玉川太福「あ、その通りです!今調べたら師匠の桂文枝さんの創作落語ですね」
シェリーめぐみ「そうそう!その《うまれかわり》は、色んな物に生まれ変わるから、どうするの/どうしたいの/何になりたいの…みたいな。それで結局オチは変なものになってしまったと。人間の弱みとかアホさ加減は、英語にすると万国共通なんだなと実感できるところがありました」
玉川太福「へ~」
シェリーめぐみ「凄いなと思いました。時代を超えて十分に練られた作品や芸というのはちゃんとどこでも伝わるものなんだな、すごいなと感服しました」
玉川太福「アメリカのお客さんも笑ってらしたんですか?」
シェリーめぐみ「もう爆笑ですよ。ずっと笑っぱなしで顔が痛くなったって言ってました」
玉川太福「(笑)そんなに、すごいな!《ちりとてちん》は古典だと思うんですが、こちらはどうでした?」
シェリーめぐみ「結構ウケてたけど《うまれかわり》の方がウケてたかな?」
玉川太福「あ、やっぱり」
シェリーめぐみ「《ちりとてちん》はね、サンシャインさんの顔が面白いからそれでウケていましたね」
玉川太福「(笑)まずいもの食べるシーンかな?」
シェリーめぐみ「そうそう(笑)」
玉川太福「1月まで週2でこれからやっていくわけですよね?凄いですね~」
シェリーめぐみ「その間、日本にも帰るらしいので結構ハードワークですね」
玉川太福「シェリーさん、私の知り合いの落語家で純粋な日本人で、今ニューヨークでチャレンジしている《柳家 東三楼(やなぎや とうざぶろう)》って言うんですけど」
シェリーめぐみ「柳家 東三楼さんですね?」
玉川太福「はい。ニューヨークで公演あると思うので、機会があれば是非見に行って、そのレビューも教えて下さい!」
シェリーめぐみ「あ、ぜひぜひ!行きます!私ね、今回公演を見に行って、日本の古典芸能に目覚めてしまいまして…」
玉川太福「え!なんですって!?毎週私と話していたのに目覚めていなかったんですか!?」
シェリーめぐみ「いや、だって太福さんダンディーなジェントルマンじゃないですか」
玉川太福「(笑)ありがとう、ありがとう」
シェリーめぐみ「帰ったら浪曲どうしても見たくなっちゃって、この番組で毎週太福さんの聴けるなんてラッキーだなって。うらやましいです」
玉川太福「とんでもない。では、またこれからサンシャインさんや柳家 東三楼さんなど、日本の演芸についてレビュー教えて下さい!」
シェリーめぐみ「はーい!もちろんです!」
玉川太福「シェリーさんありがとうございました!」
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