#87『I got rhythm 音楽が生まれる時』 選曲リスト

今月のテーマ:「芸術のロック」 (第4回:イギリス以外のプログレ) パーソナリティ:スターレス髙嶋(髙嶋政宏)

<番組のトーク・パートと選曲リスト>

今月は、「芸術のロック」と題して、前衛的でアート感覚あふれるロック、「プログレッシヴ・ロック」を特集します。今回のテーマは「イギリス以外のプログレ」です。

― さて、プログレッシヴ・ロックは、1960年代後半のイギリスに登場したロックのジャンルで、ジャズ、クラシック、フォークなどと融合した、革新的で驚異的なサウンドで多くの人を魅了しましたが、イギリスだけでなく、世界中に広がりを見せました。

― イタリアは、古くからクラシック音楽が盛んとあって、テクニカルで繊細、また、熱いプログレが多くあります。
 まずご紹介するのは、1970年に結成された「プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ(PFM)」です。

M1「Celebration」/ Premiata Forneria Marconi
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとヴァージョンが異なる場合があります。

 PFMの代表曲。PFMは、1971年に、イエスやディープ・パープルなどのイタリア公演で前座を務め、1972年に、アルバム『幻想物語』でデビューします。その後、ELPのイタリア公演の前座として出演し、グレッグ・レイクに注目され、イギリスで、世界デビューとなるアルバム『幻の映像』を制作。以後、多くのアルバムを作り、現在も活動中で、日本にも何度も来ています。

― 続いてご紹介するのは、同じくイタリアのバンド「アルティ・エ・メスティエリ」です。

M2「Gravità 9.81」/ Arti & Mestieri
<Spotifyリンク>※ラジオでOAしたものとヴァージョンが異なる場合があります。

 1974年にリリースした、アルティ・エ・メスティエリのデビューアルバム『ティルト』から、「重力(邦題)」。「アルティ・エ・メスティエリ」は、「芸術家と職人」という意味で、ジャズ・ロックを核に、地中海音楽特有のエッセンスと、イタリア独特のメロディーやハーモニー、リズム感覚が特徴です。

― イタリアには他にも、アレア、バンコ、オザンナ、ゴブリン、ニュー・トロルスなど、個性豊かなバンドがたくさんいます。

― 続いてはドイツ。ドイツにも、いろいろなアーティストがいますが、ドイツのプログレは、実験的なもので、電子楽器の導入やミニマルな曲展開を特徴とするバンドが多く、後のテクノ音楽にも影響を与えたような印象です。
 まずご紹介するのは、「タンジェリン・ドリーム」。彼らは1970年代に「電子音楽」「ニューエイジ」「アンビエント」などの現代音楽に大きな影響を与えました。

M3「Stratosfear」/ Tangerine Dream
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 1976年のアルバム『ストラトスフィア(浪漫)』のタイトル曲。

― ドイツにも、アモン・デュールII、アシュ・ラ・テンペル、カン、ファウストほか、多くのプログレがあります。

― ヨーロッパから誕生したプログレはアメリカ大陸へも波及して、様々なグループを誕生させます。
 アメリカでは、パヴロフス・ドッグ、スターキャッスル、マハヴィシュヌ・オーケストラなど、そしてカナダでは、このラッシュや、クラトゥ、マネイジュなどがあります。特に、ラッシュは、北米におけるプログレの先駆者として認知されています。
 ラッシュは1968年に結成され、1974年にプロ・デビューを果たし、その後、ドラムがニール・パートに変わり、プログレ色を強くして行きました。彼は哲学的な詞をバンドに提供し、これをサウンドで表現しようとすることが動機となり、そのように進化して行きました。

M4「The Trees」/ Rush
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 彼らの70年代の代表作となった、1978年リリースのアルバム『神々の戦い(Hemispheres)』から。


進行:スターレス髙嶋(髙嶋政宏 / 俳優)
 1987年に映画『トットチャンネル』で俳優デビュー。同作及び映画『BU・SU』で、第11回日本アカデミー賞新人俳優賞、第30回ブルーリボン賞新人賞、第61回キネマ旬報新人男優賞などを受賞。以降、映画、テレビ、舞台と幅広く活躍。主な出演作に【映画】『マスカレード・ホテル』、『キングダム』、『空母いぶき』、【ドラマ】大河ドラマ「おんな城主 直虎」など。