今夜の”Jazz& Vocal Night”は世界ジャズ紀行・フランス編

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今夜の”Jazz& Vocal Night”は「世界ジャズ紀行」フランス編をお送りしました。

フランスでは毎年夏至の日に、” Fete de la Musique(音楽の祭りの日)”が開催されます。
コンサート・ホールやライブハウス、ストリートまで街中が音楽に包まれ、
マクロン大統領も、ソーシャルディスタンスを保ちつつ、エリゼ宮(大統領府)で、
テクノ・パーティーを行ったそう。
今回は、”Fete de la Musique”を記念して、フレンチ・ジャズをたっぷりお届けしました。

まずは、ミシェル・ルグラン&ステファン・グラッペリ
♪“C’est si Bon”

文化大国、フランスの文化人といえば、セルジュ・ゲンスブール。
作詞、作曲、歌手、映画監督から俳優まで、マルチに活躍したアイコン的な存在で、
ジェーン・バーキンのパートナーとして知られています。
ゲンスブールは、1991年に他界しましたが、30年後となる今年、
ピアニストのアンドレ・マヌキアンがセルジュ・ゲンスブールをトリビュートしたアルバムを発表しました。このアルバムから、メロディー・ガルドーをフィーチャーした
♪“La Javanaise”
この曲は、セルジュ・ゲンスブールがジュリエット・グレコのために贈った曲です。

続いて、頑張りすぎず、スタイリッシュで、いかにもフランスを感じさせてくれる
ビレリ・ラグレーン&シルヴァン・リュックのギター・デュオの演奏で
♪“Isn’t She Lovely”

フランスの文化でもっとも素晴らしいと思うのは、その包容力、と語る八島さん。
フランスは、自国だけでなく、世界各地の音楽や文化を受け入れ、育む場所であると。
八島さんは、フランスを通じて世界の色々なジャズを知ったとのこと。
アフリカ、アルメニア、レバノン、イスラエル、ベトナム。
植民地時代の繋がりもありますが、それを越えた地理的な広がりもあるそう。
約10年前に八島さんが、フランス大使館と、フランスのジャズを紹介するプロジェクトに
取り組み始めた際に、フランス大使館の方が「イチオシのアーティストがいる」と
紹介してくれたのが、ティグラン・ハマシヤン。
「ティグランはアルメニア出身だけど、フランスのジャズとして紹介していいの?」と尋ねると、大使館の担当者は「フランスのレコード・レーベルでは、さまざまな地域のアーティストを扱っていて、そういうダイバーシティこそ、フレンチ・ジャズなんだ。」と
答えてくれました。
そんなフランス大使館の懐の深さに感動しつつ、
アルメニア出身ピアニスト、ティグランは初来日で観客の度肝を抜く圧倒的なパフォーマンスを行いました。
♪“The American”

続けて、カリブ海に浮かぶフランス領の島マルティニーク出身のシャソール
♪“Pipornithology Part2”

様々な文化を発信するフランスですが、フランスでも日本の文化がとても愛されており、
パリの本屋には日本の現代小説家の本が翻訳されて置かれ、
文化交流の面では、日本とフランスは本当に相思相愛です。

八島さんが仕事を通じてフランス人からよく聞いた言葉は、
Idea アイディー(考え方)、
Ambience アンビアンス(雰囲気)
Presentation プレゼンタシオン(見せ方)、
Esprit エスプリ・・・etc

フランスの文化や言葉が学べるフランス政府公式の文化機関が
「アンスティチュ・フランセ」です。
フランス語のレッスンやフランス映画の上映、コンサート、展覧会、講演会等が
随時行われていて、フランスの最新のカルチャーに触れることができる場所です。
東京、横浜、京都、大阪、福岡、沖縄と全国の6都市にネットワークが広がっていて、
現在、夏学期のフランス語レッスンの申込を受付中。
無料体験レッスンやオンライン・レッスンもあって、気軽にトライできます。
詳細はこちらで
https://www.institutfrancais.jp

では、フランスで活躍する日本人ピアニスト中野公揮さんと
フランス人チェリスト、ヴィンセント・セガールのコラボレーションです。
中野さんにパリ移住を決意させた、パリで過ごした夏の思い出を曲にしたという
♪“Une Fin D’Ete Ensoleillee”

そして、フランスの現在ジャズ・シーンを牽引するベルモンド兄弟です。
お兄さんのリオネル・ベルモンドがサックス、弟のステファンがトランペット、
ピアノはエリック・レニーニです。
♪“Song for Dad”

「世界ジャズ紀行 フランス編」
最後にお送りしたのは、再びミシェル・ルグラン。
フランスの偉大なるピアニスト、アレンジャー、作曲家、
多くの素晴らしい映画音楽を生み出しました。

当時26歳だったミシェル・ルグランが、新婚旅行を兼ねてアメリカを訪れた際に、
アメリカのジャズ・ミュージシャンとレコーディングを行いました。
そのアルバムが「ルグラン・ジャズ」。
ルグランならではのおしゃれ感たっぷりの演奏です。
マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンスらが参加した
豪華なセッションから
♪“The Jitterbug Waltz”
(ジャケット写真:ユニバーサルミュージック合同会社 UCCU-5087)
来週は、月末恒例のリクエスト特集、
ディスクユニオンのジャズ・プロデューサー、坂本涼子さんの出演です、
お楽しみに!