音楽プロデューサー、八島敦子さんが出演する"Jazz & Vocal Night"
毎月第2週は「ジャズ・ヒストリー」
今回は第10回「1980年代のジャズ」を特集しました。
前回は、「フュージョンの時代」と題し、1970年代
様々なミュージシャンがジャズをロック、ラテン、電子音楽、
アヴァンギャルドなど、多様な音楽スタイルとフューズしていった時代を特集しました。
今回特集した1980年代は、市民権を得たフュージョンが、
ジャンルや国境を越え、ワールドミュージックやポップスや
クラシックなどとミックスしていく動きを加速。
一方、ビバップにルーツを持つ正当派ジャズを守っていこうという動きもあり、
ジャズの地平線がいっきに広がった時代です。
まずは、♪“Mediterranean Sundance / Rio Ancho 地中海の舞踏 / 広い河”
1981年、アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリン、パコ・デ・ルシアの
3人のギターマスターがジャンルを超えてコラボ。
ライブレコーディングからお届け。
「色々な音楽をフューズすることはできるけれど、本当に良い音楽を創り出すためには、卓越した技術とそのための訓練が必要。それこそが、ホンモノのジャズ」
八島さんは、そんなことをハービー・ハンコックから学んだんだそうです。
1980年代のハービーは、
エレクトロやファンクを真っ先に取り入れました。
ダンサブルなサウンドは、当時のブレイクダンサー達がこぞって取り入れた
ヒットチューン。ユニークなミュージックビデオも印象的でした。
♪“Rockit”
この時代、ポップスとのコラボで話題を呼んだのが、グローバー・ワシントン Jr.
♪“Just The Two Of Us”は、アルバム”Winelight”の中で唯一のヴォーカル曲。
(ヴォーカルはビル・ウィザーズ)
それまで「歌もの」をやったことがなかったグローバーにとって、アルバムにヴォーカルナンバーを収録することは、
「自分を安売りしている」「金儲けだ」と言われるのを心配しましたが、結果、
歴史に残るヒットとなりました。
これもやっぱりグローバー自体のジャズサックス奏者として、
卓越したスキルがあったからこそ、ポップスとの融合がうまくいきました。
そして、帝王マイルス・デイヴィスがピックアップしたポップス曲は
シンディー・ローバーでおなじみ♪”Time After Time”
1980年代のジャズには、伝統を守ろうというアーティストもいました。
その中心となったのが、彗星のごとく現れた天才トランペッター、
ウィントン・マルサリス。
音楽一家に育ったウィントンは、幼い頃からクラシックの教育を受け
ニューオーリンズの街で育ち、ジャズにも開眼していきます。
1984年、ウィントン初のストリングスとのコラボ
♪“When You Wish Upon A Star “
日本のギタリスト、渡辺香津美が、ニューヨークで
メンバー集めてレコーディングをおこなったアルバムが”TO CHIKA”
ちょうどYMOとのワールドツアーが終わったタイミングで
ニューヨークの第一線のミュージシャンを従えて、バリバリにギターを弾いています。
八島さんは、“TO CHIKA”30周年の2010年に、八島さんは、“TO CHIKA”のメンバーの再結成を実現させます。“TO CHIKA”のアルバムから♪”Manhattan Flu Dance”
ボブ・ジェームスとデビッド・サンボーンが共演したアルバム“Double Vision”は、
1980年代に誕生した名盤の1つ。
このアルバムは、グラミー賞を受賞しましたが、
ボブとデビッドはライブで共演したことはありませんでした。
しかし、20年以上の時を経て、八島さんがこの2人の初共演を実現させました。
その際のボブの感想は、
「初恋の女性に再会するような気分だった」とのこと。
お届けしたのは、♪” Maputo”
来週は、「ジャズとアニメ」をお届けします。
お楽しみに!