土星の衛星の一つ「エンケラドス」
土星の衛星の一つ「エンケラドス」
ソラジオトーク from OKAYAMA
星の時間の案内人 大阪市立科学館 渡部さん
今回のソラジオトークのテーマ
土星の衛星の一つ「エンケラドス」
放送でもお伝えしたように
「エンケラドス」は、星全体は氷(雪)で覆われて
太陽系の中でもっとも白い星
白いというだけで特徴がある星ですが、1997年に打ち上げられた土星探査機「カッシーニ」によって
土星に接近し、詳しく調べた結果
「エンケラドス」では、物凄く噴水のように噴き出している姿が捉えられ
氷の火山とも呼ばれる状態が、「エンケラドス」から見ることができ、
噴水のように水が噴き出すことによって、宇宙空間で瞬時に冷やされ
雪として「エンケラドス」の地表に降り注いでいることがわかりました。
探査の結果を踏まえて、噴き出しているものを調べることができ
データに基づいて色んな観測者が解析をしています。
この噴き出している物質は「何か?」
また、「なぜこのような現象が起きているか?」
2023年にもどんどん新しい発表があり
その中では、「水素を発見した」「シリカという物質を発見した」
シリカという物質は、温泉などで見ることができるツブツブ(細かな岩石物質)
これは、物凄く高温の温泉でないとみることができない物質。
さらに、「有機物の発見」
有機物とは、生物の体を作るような物質で
「エンケラドス」の噴き出している成分からは、そういった物質が多く含まれているということが
わかってきました。
こういったことから、「エンケラドス」の氷の下には、「海」がある。
地底の海には、生き物がいてもおかしくないのではないか?との見解もあるようです。
地球に住む我々と同じように、生き物に必要なものは、
「水」「エネルギー源」
太陽から離れ、太陽光100分の1の世界、そんな寒い世界であっても生き物がいるかもしれない。
観測者からは期待されています。
ただし、どうやって地中・中身を調べるか?
噴き出した物質を調べることはできるが、実際に調べるには、直接探査機などを使って調べる必要がある。
しかしながら、噴き出した物質の成分を詳しく知る必要がある。
観測者の中で注目を浴びる「エンケラドス」。
ちなみに、同じように地中に海がある・水がある星はいくつか見つかっています。
「エンケラドス」のように、噴き出すまではいかないものの
例えば、木星の衛星「エウロパ」や冥王星など
地球のように表面に生き物がいる。ということだけでなく、
氷の下の海底・地中に生き物がいるということが、宇宙では一般的なのかもしれない。
いずれにしても、今までの常識が探査によって覆されるのが醍醐味。
色んな星のニュースに注目していただきたいです。
以上、星の時間の案内人 大阪市立科学館 渡部でした。