小沢健二「日本語って、ずっと気を遣っている言語なんですよね」日本語の“一人称”の多様性を語る

お笑いコンビ・麒麟の川島明がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「SUBARU Wonderful Journey 土曜日のエウレカ」。「あなたの心を、ここではないどこかへ」をテーマに、ゲストの「ココロが動く(=エウレカ)思い入れのある場所」へと案内していきます。最終回である9月30日(土)放送のお客様は、シンガーソングライターの小沢健二さんです。川島が31年前から1日たりとも欠かさずに大好きなアーティストだと熱く語る小沢さんを前に、これまでの音楽活動や“人生での気付き”など、さまざまなお話を伺いました。


9月30日に小沢健二さんの母校・東京大学でおこなった講義「東大900番講堂講義」のポスター



1968年生まれ、神奈川県出身の小沢さん。1989年、フリッパーズ・ギターとしてメジャーデビュー。1991年に解散後、1993年にシングル「天気読み」でソロデビュー。その後、『犬は吠えるがキャラバンは進む』『LIFE』などのアルバムを発表。1998年からは拠点をアメリカ・ニューヨークに移して活動、近年では2019年に、13年ぶりのアルバム『So kakkoii 宇宙』をリリース。さまざまな活動を通して音楽を届けています。


TOKYO FMのラジオ番組「SUBARU Wonderful Journey 土曜日のエウレカ」9月30日(土)放送のゲスト:小沢健二さん



川島:小沢さんのこれまでの人生のなかで見つけた一番のエウレカ(発見・気付き)を挙げるとすれば何でしょうか?

小沢:日本語で「僕は」「私は」「自分は」と一人称を決めた時点で、相手に対して自分がどういうふうに話しかけているかの意味があるということです。このことをアメリカで、「相手と自分の立場を表現しているし、どういうふうに関わりたいと思っているかを一人称で伝えている」「そして、一人称の選び方が10個ぐらいあるんだよ」と言ったら、相手がめちゃくちゃビビっていて(笑)。「『I(私)』以外に何て言うの?」みたいな(笑)。

川島:たしかに向こうだとそうですね。

小沢:「この感覚ってわからないんだ!」って、僕もビックリしました(笑)。

川島:日本語ならではの表現といいますか。

小沢:きっと、日本語ってずっと気を遣っている言語なんですよね。「この人にはどういう自分であろう」とか(考える)。

川島:歌詞でもそうですよね。

小沢:「僕」と言うのか、あえて「バカな俺」ってしちゃうのか。おもしろいなと思います。

川島:その気付きは最近ですか?

小沢:20年ぐらい前です。「一人称を細かく使い分けて気を遣っているな、俺たちって」と思いましたね(笑)。

川島:「いただきます」っていう言葉も、海外の方から驚かれますよね。

小沢:食べることに対して、日本列島文化はすごいなと思います。今は街に外国人観光客が増えていると思いますが、僕も「今旅行に行くなら日本だな」と思います。

川島:それぐらい魅力的な国になっているということですかね。

小沢:今の地球で考えると、日本はすごいですね。計算されないものがいっぱい残っていて、こんなところはなかなかない。うちの子どもたちも日本列島が大好きですね。

川島:感謝しながら過ごさないといけないなと思います。

番組では他にも、川島が小沢さんのライブを観て感動したさまざまなシーンの話や、小沢さんがアーティスト活動と母校・東京大学の学生生活で学んだこと、「東大900番講堂講義」への思いなどについて語る場面もありました。



2020年10月にスタートし、3年間お届けしてきた本番組「SUBARU Wonderful Journey ~土曜日のエウレカ~」は今回が最終回。10月7日(土)からは、引き続き川島がパーソナリティをつとめる新番組「川島明 そもそもの話」がスタート。次回10月14日(土)のゲストは、元BiSHのアイナ・ジ・エンドさんです。

<番組概要>
番組名:SUBARU Wonderful Journey ~土曜日のエウレカ~
放送日時:土曜 17:00~17:55放送(※番組は9月30日(土)で終了。現在は同時間帯で新番組「川島明 そもそもの話」を放送中)
出演者:川島明(麒麟)

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