TOKYO FMの音声配信プラットフォームAuDee（オーディー）の番組「長野智子のテレビなラジオ」（隔週火曜・10時配信）。1985年のフジテレビ入社以降、テレビ業界で活躍してきたフリーアナウンサー・長野智子が、テレビを牽引してきた制作者・出演者をゲストに招き、テレビの過去・現在・未来を語ります。

1月9日（火）、1月23日（火）の配信では、フジテレビ元アナウンサー・阿部知代さんがゲストに登場。ここでは、1月23日の模様をお送りします。アナウンサーキャリアでの大きな転機について語ってくれました。

▶▶【音声を聴く】「長野智子のテレビなラジオ」

（左から）阿部知代さん、パーソナリティの長野智子

1963年、群馬県生まれの阿部知代さん。1986年にフジテレビにアナウンサーとして入社。1991年から92年までFNNパリ支局に勤務し、2012年8月にはFCIニューヨーク本社に出向します。2015年、人事異動で報道局マルチデバイスニュースセンターシニアコメンテーターへ異動。報道局報道センターマルチメディアニュース制作部で、デスク兼キャスターを務めました。2023年7月末日で60歳の定年を迎え、現在も報道局に勤務しています。

◆ずっとパリに住み続けたかった

長野：いろいろな話を聞いてきたけど、これが一番自分のキャリアにとって大きかったなって思う出来事は何ですか？

阿部：パリの駐在から帰国しろって言われたとき、パリに残りたかったから辞めちゃおうかなって思いました。

長野：それはどうして？

阿部：パリで暮らすなんて最高じゃないですか（笑）。

長野：（笑）。何が最高なの？

阿部：街が綺麗だし、すべてが美しい。もっとフランス語を勉強したかったし。

長野：アートもあるしねえ。

阿部：毎日ワクワクでした。

長野：でも、帰ってきたんだね。それは何かあったの？

阿部：収入が断たれると（困るから）。アパートにも住めなくなるし、学校に入るのもお金がかかるし。そもそもビザがないと仕事もできないですしね。

長野：阿部知代はずっと現実的なところを貫いているよね。

阿部：お金の話ばかりでごめんなさいね。

長野：大事なことですよ。

◆バラエティの仕事が急増した転機

長野：突然すごくセクシーな服を着て登場して、雑誌とかに出ましたよね？

阿部：最近はないですけど、ありましたね。

長野：あれって狙ってるとかじゃなくて、単純に着たい服だったの？

阿部：ええ。そうです。

長野：世間がすごくざわついたときがあったじゃない？

阿部：ありました。それでバラエティの仕事が一気に増えました（笑）。それも1つの転機ですね。

長野：ヤダね、テレビって（笑）。

阿部：いまだにお仕事の依頼とかで「衣装はセクシ―系でお願いします」って来ますから。「私は60歳だぞ！」っていう（笑）。

長野：最初のセクシードレス（の披露）はどこでだったんだっけ？

阿部：後輩の披露宴です。それでいろんな雑誌でお写真が出ました。

長野：たまたま買ったドレスだったの？

阿部：もともと買っていたもので、パーティーのときに着たいなって思っていたドレスでした。

長野：世間の反応にどう思った？

阿部：ビックリしましたよ。

長野：私もビックリした（笑）。

阿部：当時、週末のニュースで読みナレーションはよく読んでいましたけども、パッとした仕事がなかった……っていうとニュースに失礼ですね。そんなタイミングだったので、若手のバラエティのディレクターとかがビックリしたみたいなんですよ。

長野：なるほどねえ。

阿部：お堅くて怖そうなお姉さんだと思っていたら「なにこれ？」みたいな。で、40歳を過ぎたときにバラエティのお仕事がいっぱい来たんです。

長野：心境的にはどうだったの？

阿部：「えーっ!?」ですよ。当時はデスクをやっていて、ADの子がアナウンサー依頼票を書いて私に持ってくるんですね。知らないバラエティ番組のタイトルが書いてあって、そこに阿部アナって書いてあって。来たAD君に「これさ、間違いじゃない？」って突き返したの（笑）。

長野：あはは（笑）。

阿部：キョトンとしてた。たぶん、その子は私が阿部だって分からずに来ているわけ。「えっ？」って顔をしたから「あのね、私が阿部なの。これを書いた人に『間違いじゃないですか？ って阿部さんが言ってました』と言って持って帰って」って帰らせたの（笑）。

長野：え～！

阿部：しばらくしたら書いた人がやってきて「間違いじゃありません」って言われたの（笑）。

長野：面白すぎるんだけど（笑）！


＜番組情報＞
番組名：長野智子のテレビなラジオ
配信日時：隔週火曜・10時配信
パーソナリティ：長野智子