第300回 岡根谷実里さん②

ゲストは先週に引き続き、 世界の台所探検家、岡根谷 実里 さんです。



▼ 岡根谷さんのTwitterはこちら
https://twitter.com/m_okaneya


世界の家庭に滞在してきた岡根谷さん。
朝の時間は、そわそわして早起きになってしまうそう。

「朝になると物音がして、朝ごはんの香りがしてきたりして
 必要以上の早く起きちゃいます。
 ただ、イスラム教のエリアで朝4時に
 お祈りで起きるのは大変でした(笑)」

岡根谷さんが訪れた世界の台所でのエピソードと
各地の料理を紹介している
著書『世界の台所探検 料理から暮らしと社会がみえる』
が現在発売されています。

「最初は、昨年3月に編集社さんから、
 本にしたいとご連絡いただきました。
 当時はちょうど、コロナ禍で海外に行けなくなってきた頃で
 ”世界が遠くなってしまう時期”でした。
 私も、そんな時期だからこそ、食で世界を近づけたいと思って
 本を書こうと動き出しました。」

岡根谷さんが訪れた23家庭の台所、
出会った人の写真が豊富に掲載されています。

著書の中でも、ブルガリアでの赤パプリカを使った
伝統的な保存食『リュテニッツァ』は、思い入れが深いそう。

『リュテニッツァ』は、
赤パプリカを黒く焦げるまで焼き、皮をむきペースト状にして、
塩・コショウ・クミンなどと一緒に煮込んだ料理です。

「見た目ケチャップのようですが、ジャムに近いようなものです。
 パンにたっぷり乗せて食べます!
 ビン開けると1度で全部食べちゃうくらい。
 冬の間に野菜を取るという目的もあるようです。
 つい先日、黄パプリカで作ってみたら、赤パプリカより一層甘くて!
 レシピは本に載っています。現地の知恵を生かして、
 自分の生活を楽しくできるヒントにしてほしいです。」


さらに、著書にも掲載されているインドネシアでの家庭も
思い出深いものだったそう。

「近所の人やゲストまで招き、賑やかに料理するんですよ。
 女性たちが数時間かけて、楽しくそうにしていて...
 自由に外出できない環境もあってか、台所が社交の場で、
 居場所のある台所が忘れられないです。」


そんな岡根谷さんが感じる日本は、”頑張る台所”!
同じ料理を毎日食べることが普通である国もある中、
四季を楽しみ、毎日違うものを作り食べなくてはいけない、と
日々献立に追われているように感じる、とのこと。

「食べる楽しみとして、すごく素敵だとも思うんですが、
 もっと気をぬいて、同じでも良いじゃん、とか。
 この時期、この食材ばかりを楽しむ、というのが
 あっても良いかな、とも思いますね〜」


最後に、岡根谷さんの”元気の源” について伺いました。

「 "知りたい、やりたい、会いたい" という好奇心です。
 世界中の家庭を、どんな暮らしかを想像して
 会いたくなって動いていく。そうして動くことで
 思いもよらない出会いや発見があって、
 そこから人生がコロコロ転がっていって...
 そういう、自分だけでは起こせない変化、予期せぬ展開が
 自分を元気にしてくれています!」
 
これからも、食を通じて世界を近く感じる活動、応援しています!
2週にわたり、ありがとうございました。


M. 栄光の架け橋 / ゆず